「わかってくれます!!?」
「わ、わかるよ、」


はっちゃんも楽しそうだしね、という続くはずだった軽くビビりが入ったわたしの言葉は、彼の初夏みたいな笑顔を見たせいでどこかに飛んでいってしまった。


「他の奴らはそんな事言ってくれません、だけどハルさんはちゃんと解ってくれて、俺ほんと嬉しいっす!!」
「そ、そっか! わたしも嬉しいよ! だけどゴメンちょっと肩痛いかな!」
「うわっすんません!」


バッと掴まれていた肩から手が離れ、彼はすこし遅れて、自分のした行動に照れているようだった。こうして間近で見てみると、14歳っていってもやっぱり現代のそれとは違って、普通にいい体格をしてるんだなあ。


「すみませんハルさん、痛かったですよね……」
「ああ、もう大丈夫。じゃ、わたしもそろそろ母屋に戻るよ」


あんまり遅くなると食器洗いをおばちゃんに任せっきりにさせてしまうし、と言えば、俺も一緒に行きます! とはっちゃんも隣に並んで歩きだす。こういったら失礼だけど、なんだか犬みたいな人だよね、この人。


「あっそうだ、今日の夕食は何ですか?」
「ひみつ」
「えーっ!」


なんだろー! と頭を巡らす彼を横目にはははと笑って、こんなのんびりした空間もいいもんだなあ、なんて思った。




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