――いつの間にか意識を飛ばしていたらしい。気付いたらどこかの川辺にいた。
わたしをここまで連れ去った犯人は、川の水を掬い飲んでいるあの茶髪だろうか。


制服の乱れもないから変な事はされてないようだし、乱太郎たちとも顔見知りのようだった。恐らく味方なんだろうな。こんなキャラクター覚えてないけど。
まあとりあえずお礼を言おうと、上体を起こした時。ばっちり聞こえてしまった女の子にとってタブーな言葉。


「はあ……重たかった……。」
「お、重たくてすみませんでしたね!!」
「うわっ君起きたのか!?」


なんだろうコレものすごく恥ずかしいんだけども。健康的な女子でホントすみませんね。昨日もご飯がおいしかったんですよ。ダイエットの馬鹿やろう。


「あっいや、そういうつもりじゃ……!」
「いいです自覚してます。寧ろ助けてくれてありがとうございました。歩きますので乱ちゃん達のところへの行き方を教えて下さい。」
「君は何を言ってるんだ、そんな姿でふらついたら追いはぎの恰好の的だぞ。どこの世間知らずな娘さんだか知らないが、私の前でみすみす危ない目に遭わせる訳にはいかない。」


世間知らずだと……!!
普段ならさして気にしないわたしですが、状況が状況なのでカッチーンときてしまったんです。






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