「ここです」 「うわー!」
辿り着いたのは、色々な種類のある飴屋さんだった。 丸いやつが基本なんだけど、いろんな柄や色があってきらきらしてて、寧ろ飴じゃないみたいだ!
「すごいね、うわっこれ可愛いな! しかもおいしそー!」 「はは。委員会の下級生にお土産に買ってこうかなって」 「雷蔵の委員会はどこなんだっけ?」
彼は、きり丸と同じ図書委員会に所属しているんだそうだ。他にも、アヤカシマルくんや能勢くん(確かあの礼儀正しい優しい子だろう)中在家先輩もいると言った。
「――きり丸は、委員会にいる時あなたの話をよくしています」 「えっ、そうなの? どんな話?」 「それは秘密です」
悪戯っ子みたいに笑って濁されてしまったが、きり丸がわたしの話を出していると聞いて、他の人なら変な噂とか陰口じゃないかと不安になったけど、何故かきり丸だけは素直にうれしいなと感じた。やっぱり特別な思い入れが、あの子にはあるのかもしれない。
「……わたしもきり丸や、一年は組の子たちに飴玉買っていこうかな。うん買っちゃおう」
本当は学園長のお金だから自分のものには使いたくないけど、一年は組の子たちの喜んだ顔を思い浮かべたら、既に飴玉を購入してしまっていた。
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