今日は焼き魚定食に味噌汁じゃなくてミニうどんなんだなーとか思いつつ、利吉さんの前にトンと置いた瞬間。

ぎゅるるる………


(し、しまった)
「……あははっ。君も相席するか?」
「す、すいません……」


そういえば朝ごはんから何も食べてなかったんだっけ。お腹の鳴る音をばっちり聞いていたおばちゃんは既にご飯を用意していてくれた。有り難い!


「いっただきまーす!!」


利吉さんの前でわたしも同じものをいただく。おばちゃんのご飯はなんでこんな美味しいのかねえ!! コレステロール高めのおかずじゃなくても白米がすぐに無くなるもんな!!


「君、名前は何と言ったっけ?」
「むぐ、ハルといいまふ!」
「今お米落としたぞ。落ち着いて食べなさい」


利吉さんは、何て言うかお節介とかじゃなくて、根っからお兄さん気質なのかもしれないな。そう思ったら、助けてもらったあの時も変に噛み付いたりしちゃって、悪いことしたなあ。


「ハルくん。君は、」
「利吉さん、助けてくれてありがとうございました」
「、礼には及ばないよ」


何か言いかけた利吉さんはそのまま何も言うことなく、そしてそのまま他の生徒が現れだしたので、紡がれるはずの言葉は行方不明。




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