ダイサンキョウエイマルさんが言ってた事は全部本当だったのかも知れない……だって確か忍たまって戦国時代? 室町? で忍者になるべく学園で修業してる子どもたちの話だったような。
しんべヱがボートにいるチャラい三人組に捕まってムニムニされている間、ひたすら黒髭さんに申し訳ないことをしたなと謝る機会を伺っていると、幸か不幸か切り出された。


「なあ乱太郎、この子を学園長先生に頼んで請け合ってもらえないか。うちは人命救護はしても、囲めないことは学園長先生もご存知だろう。」
「うーん、いいですけど、お家思い出せないんですか? だったら私たちが家族探しをしたりとか……。」
「家族はいないそうだ。」


今ちょっとシリアスな感じになってきたけど健在だからね。この世界ではわたし一人なだけであって。


「いいすよ。連れてっても。」
「きりちゃん……。」
「そのかわりぃ、お駄賃いただけますー?」
「折角良いこと言ったのに、目が銭になってるよ! もう!」


あ、こういうシーン見たことあるわ……何て言うか、本当に忍たま乱太郎の世界に来ちゃったんだなあ、わたし。
嬉しい人はすっごい嬉しいだろうし、実際こっちで過ごした時間は楽しかったけれど、この時のわたしは不安しか持ち合わせていなかった。







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