「うーん。なんだろ、笑い方が違うって思ってさ」


一番最初に雷蔵の笑い方を見た時は、すごくケラケラと笑っていたから、さっきみたいな零す笑い方に違和感があったんだよ。
伝えれば、彼は「知らなかった……」と言い、はっちゃんは「わかるわかる」としきりに首を振っていた。

――それにしても。


「あの、なんで雷蔵の振りをしてたんですか?」


いくら双子だからといって、片割れに間違えられ、その上頼み事まで引き受けるのは、不平等なことが起きるんじゃないか。
そこまで言うと、彼は今度は満足げに笑った。


「私と雷蔵を双子だと思いましたか?」
「え、うん……え!? もしや赤の他人なの!!?」
「まあ」


えええなんかもうよくわかんないけど、つまり彼は雷蔵と血縁でもなんでもないのに、こんなにそっくりだという訳で。なんでなんだよ!!


「三郎は変装の名人なんですよ」
「変装!? すごいねそれ!!」


怪盗二十面相とかルパン三世みたいだね! とはさすがに言えなかったけど、実際に昔から顔を変える技を持ってる人っていたんだなーと変に感心してしまった。


「ハルさん、」
「ん?」
「初日は、きつい態度を取ってしまってすみませんでした」




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