「…………下着、です。あの、さらしとして使うんだけどね……」


えっじゃあ、あの三角の布も変な二つの丸がついた帯みたいなの、下着だったのか!
さらしってことは胸に巻くんだよな……うわなんか恥ずかしい。
変なこと聞いてすみません!
思わずそう言えば、ハルさんはハハハと困った風に、気にしないでと笑った。


それからは他愛ない話をした。
学園の生活に慣れましたかと聞けば、みんな良い人で楽しくしている。だけどまだ話したことのない忍たまもいるよー、と答えた。
ハルさんが頑張っていることは、学園の者はみんな知っている。だって一人として、食堂を一度も使わない人間はいないから。
食堂に入ったらすぐ、ハルさんの「おはようございます」「こんにちは」が耳に入ると、オレはなんだかほっとする。


「――オレ、ハルさんはきっとすぐ出ていくと思ってました」
「、うん」
「でも、毎日朝早く起きてみんなの朝ごはんや昼の準備、たまに小松田さんの代わりに掃除をしてるのも知ってます」
「……うん」


ざぶざぶと、敷布を洗う音が強くなる。
反対にハルさんの手は止まってしまった。


「どうして、一人で、頑張れるんですか?」




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