時間がない
「時間がない」
彼はどうしてそう言うのか
まだまだ時間は限りなくあると言うのにまたいつものようにぽつりと呟く コチ、コチ、時計がなりやまない
普段は気にしないものの今のこの静けさに嫌というほど耳に入ってくる
「お前はいつもそうだな」
時計の音と同時に低い声が耳に入る あぁもうそんな急かさないでくれ
「時間がないと言っているのに、遅い、遅すぎる」
「遅くないよ君が早過ぎるのさ、今何時だと思ってるんだ?」
コチッと言う音と共に目覚まし時計がなった
そう今は朝の6時 本当なら今から起きて準備しても間に合うのに全く
君は何時に来たと思う?5時だよ、早過ぎ、キレても良いレベルだと思うけどね
キレない自分を褒め讃えたい
「いや、私は6時に集合と言った、なのにお前は6時に起きるつもりだっただと?ふざけるな」
「ふざけるなはこっちだよ、たかがピクニックにこんな早く起きて何すんのさ!?」
「楽しみだったんだからしょうがないだろ!!」
「君は小学生かっっ!!」
あぁもう見た目と裏腹に本当にガキっぽくて仕方ない
めんどくさい事に、5時に起こされたもんだから準備はもう出来てしまった
「よし行くぞっ今日は弁当も持ってきたんだからな」
「うわぁキモ…」
「何を言う、あの有名な駅弁だぞ」
「手作りじゃないのかよ!!しかもわざわざ駅で買って来たの!?」
玄関で靴を履き、先急ぐ君の後をついていく
"楽しみだったんだからしょうがないだろ!"
楽しみだったんだ…こりゃ楽しませなきゃ駄目だね
少し顔が熱くなったけど、なんだか悔しいから下を向いてハァとため息
「ねぇ、荷物ぐらい持ってよ早く今すぐ」
「仕方ないな」
よっと俺の荷物を持つ君の頬に不意打ちでキスをする
固まった君の様子を見てなんだかニヤけてきた
「な…な…な…」
「先に行くね」
トーンと地面を蹴って走る俺に真っ赤な顔で後をついてくる君
今日は楽しいピクニック!
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ギャグのつもりで書いてみたんだけど途中魔がさしてどうみてもボーイズ☆ラブ
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