雛(ロドマカ+特戦)3



「まぁったく、あのヒヨコもいい加減周りに気を配れるようにならねぇもんかね」
 フヮァァァ、ともう一つ大きな欠伸をしながら、隣に座るマーカーの方に少しだけ身体を傾ける。
「あんなんじゃ、いくつ命があってもたりねぇや」
 何事もなく、一日が終わる。
 それは戦場に生きる者にとって何も変わらない日をおくれることが何よりの喜び。


「オラーーーッ、いつまで閉じこもってんだリキッド!テメェさっさと買出しいってメシ作らねぇと給料下げんぞ!」
「明日滅ぼす街のスーパーで特売品買って自炊する軍隊がどこにあるんスかーッッッ俺イヤですからね、もう絶対こっから出ません!」
「馬鹿野郎、経費削減って言葉を知らねぇのか」

 予想通り、奥で喧々囂々と言い争う上司と新入りの声を聞きながら瞳を閉じた。
 この分では食事が出来るまでにはまだ随分と時間がかかるだろう。
 それまで、少しだけ休むことにしようか。

 スウ、と睡魔に身を委ねて身体を傾ければ頬が温かいものに触れる気配を感じた。
 そういえば、人肌の温かさなんて随分とご無沙汰だな。
 
 今日は、イイ日だった。明日も願わくばイイ日でありますように。



 『…全く、人の肩で熟睡するとはいい気なものだ。 いいかロッド、この貸しは高くつくからな。
  ……・G、何がおかしい。…フン、全く…・』



 明日も願わくばイイ日でありますように。
 



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