毒(ハレマカ)2


「ハッ……ん、隊長…・・」

 びくり、と背筋をふるわせた。
 迂闊に身を乗り出していた姿勢がいけなかったのだろうか。
 何時の間にか忍び込み双丘の狭間に差し入れられたハーレムの指が最奥を探る動きに頤を仰け反らせて嬌声を上げる。
 既にいっぱいまで広げられ、深々とペニスを咥え込んだ其処は隙間など無い、が、彼の指はそのような事はお構いなしに侵入を試み結合部を擦りあげた。
 不埒な指に気付いた時には既に遅く。
「ヒッ…、隊長…もぅ無理です。これ以上、入らな…ッ」
 体液の蜜に濡れ蕩け合う二つの身体を強引に指で割られ、性器だけでなく節くれ立った指まで同時に受け入れる激痛に消え入りそうな声で悲鳴を漏らす。
 限界まで広げられた孔に無理矢理押し込められた指先が鉤のように曲げられ、内壁を引っ掻くような動きを繰り返す度にビクン、ビクンと大きく身体が震えた。
「へっ…どうだマーカー、土下座で俺に謝るンなら抜いてやってもいいぜぇ」
 抉るようにグイグイと、ペニスと同時に挿入された指を動かし内部の熱い粘膜を刺激され続ける。
「あっ、あぁ…ッ!苦し…、隊長、ハーレム様…」
 自分自身の身体を抱き締めるように小さく震え、内股に力をいれ身体を強張らせながら激しい快楽に身を任せる。主に触れられた場所全てが熱くて其処からドロドロと蕩けてしまいそうな程に熱を孕んでいる。
「さっきのクソ生意気な勢いはどうした?可愛いぜ、オラこっち向けよ。…・顔、見せろ」
 汗で額にはりついた髪をかきわけられ、赤く腫れた瞳の縁に親指を滑らせてそのまま顔に手が添えられる。そのぬくもりが心地よくて、荒い息の合間にチロリと赤い舌を出し飼い主に愛撫される従順なネコのように掌を擽ってみせた。


「…・予想外でした、彼、は死ななかった」
 ンッ、と小さな声をあげて続く言葉を紡ぐことなく身体を仰け反らせる。未だ体内に押し込められたペニスが膨らみ、より一層狭い其処を圧迫する感覚に耐える為に口を噤む。
「…・ほぉ、オメーはあいつがくたばる方に賭けてたのか」
「当然でしょう、隊長ではあるまいし。私は勝ち目の無い馬に賭けるような酔狂な真似はしません」
 はっきり言いやがる、と苦笑されニ、三度僅かに滑りを纏わせた後孔を煽るように突きあげられて甘い吐息を吐き出す。
「で、どうだった?」
 つい先程自分がはぐらかした問いをもう一度聞かれ、眉間に皺を寄せた。本当に、この男は自分が嫌がる事を全て承知で仕掛けているのではないかと疑いたくなる程無作法だがきっと本人としてみれば何を狙っているわけでもないのだろう。
 全ては、被害妄想が肩を貸す、己の中に澱んだ見苦しい嫉妬、か。
「…・特殊能力は初戦である現時点で合格点だと判断します。充分、今後戦闘で使えるレベルに引き上げる事は可能…ンッ…」
「ほぉ、オメーのお墨付きならあの静電気ヤローも只の馬鹿じゃねぇってことか」
 激しさを増す突き上げから逃げようと反射的にひいた腰は、主の大きな手に掴まれ逆に引き寄せられた。
「ひぅ…・ッ、んっ…・」
「報告、続けろよマーカー」
 何度も太い楔が身体を突き刺し、引き抜かれる衝撃に耐えながらハーレムの身体に縋り付く。
「はっ…、只、問題点は…・ッ、銃火器を持たせると途端に屑に成下がる・・ッ、所です」
「…・・ハァ?」
「銃火器は、一から仕込んでやらないと…ン、使い物になりません…。あのボーヤ、私の忠告も聞かずデタラメに引き金ひいて…その反動の衝撃全てが肩にかかっている筈ですから、今頃は腕も上げられずに部屋で唸っていることでしょう…」

 身体の中を蹂躙されながら、言葉を紡ぐということは存外に難しい。どうしても其処だけに感覚が集中してしまい濡れた音、自分の荒い息遣い、抱きあう男の熱に思考が散らされそうになる。

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