FAKER(ハレマカ)7


-R-



 何時の間に眠ってしまったのだろうか。枕に顔を埋め、涎がだらりと口の端を伝っている事に気付き慌てて飛び起き服の袖で口唇を拭う。
 まずい、一体今何時だ?と覚醒しきっていない頭を働かせる為パンパンと両手で頬を叩きながら時計を見上げれば漸く日付が変わる境目の時間帯を針は指し示し、急いで中途半端に着崩れしていたジャケットを羽織り直して飛び出すように自室を後にする。


 Gも坊やも既に床についてしまったのか、静まり返った通路を足音をたてないようにソロソロと歩き自室とそう離れていないマーカーの部屋に向かった。
 誤解を解く、というよりもなんとか今日中に機嫌だけは直して貰いたい。
 その為なら燃やされようが八つ裂きにされようが、取り合えず耐え抜く覚悟は出来ている。
 明かりをつけずに、窓から差し込む月明かりを頼りに通路を歩き目的地である彼の部屋に辿り付くと、先程の剣幕を思い出し一瞬開けるのを躊躇ったが、大きく深呼吸した後思い切って大きく扉を開け放つ。
 そしてここまで歩いてくる間そらで何回も練習した謝罪の言葉を口唇に乗せる前に・・・目に飛び込んできた光景に固まった。
 


「よ〜お、夜這いか?悪いが先に借りてんぜぇ、もちっと待ってろや」
 こちらをチラリと振り返り、楽しそうに笑みを浮かべてサラリと言い放つ全裸の上司と「・・・ッ、ハッ・・・ぁ、や、やめッ・・・・・んああぁッ」
 組み敷かれ、しとどに溢れた体液にぬれながら大きく開かされた脚の狭間に 上に乗る男の腰を挟み込んでいる愛する人の姿。
 一体、これはどういうことなんだ?と現実を直視できず呆けたように立ち尽くす。
 同時に、湧上がる身を焦がすような強烈な嫉妬に思わず胸を押さえた。
 自分以外の男が彼を抱いている、その光景がここまでキツく突き刺さるとは思ってもみなかった。
 気分が悪くて吐き気を覚える。


「やめ・・、も・・・嫌です、隊長・・・・・ッ・・」
 立ち尽くし動くことが出来なかった脚を踏み出させたのは、途切れ途切れに紡がれたマーカーの哀願の言葉だった。
 ベッドの脇まで無言で近寄り、止め処なく涙をこぼすマーカーの顔を見下ろせば漸く自分に気が付いたのか、それまで虚ろな瞳で喘いでいたマーカーの瞳が大きく見開かれ必死に顔を背けようとする。
「貴様、見るな、やめっ・・・・・や、あ・・・・・・ぁ」
 自分が横に立っていようがお構いなしにマーカーの細い身体を揺さぶり続ける隊長がチラリと横目でこちらを窺い、一緒にやるか?と挑発的な笑みを浮かべた。
「ヒマならオメーも混ざるかぁ?コイツ狭すぎて流石に同時には入れねぇだろうけどよ。なかなか、イイ具合じゃねぇか。」
 野郎にも名器ってのはあるもんだなと、己の欲望を突き入れている結合部に強引に指を捩じ込み、その痛みに喉を反らせて悲鳴を上げるマーカーをニヤニヤと眺めている。
「ほら1本、2本・・・おお、すげ3本入っちまった。4本は流石に裂けちまうかな」
「・・・ッ、か・・・っはぁぁッ・・・・」

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