FAKER(ハレマカ)6


-H-


 白く、細い指先がその形をなぞる様に動き、ゆっくりと熱塊を薄く開いた口唇に導く。
 躊躇いながらペロリと先端を舐め、口唇に含み両手で扱きながらどんどん質量を増すそれを口内で育てていく。手馴れた仕草、には見えない。愛撫自体も随分と稚拙なものだったが紅い口唇に己の欲望が出し入れされる様を見下ろすのは気分が良いものだ。
「・・・ん、っ・・・・ん、ふっ・・・・」
 口内をペニスに占領されているせいか、うまく呼吸出来ずに鼻に掛るような息をついて己の主を見上げる媚態に息を呑む。
 成る程、これはあの馬鹿が本気になるわけだ。
「しっかり濡らしとかねぇと辛いのはお前だからな」
 口内で受け止めきれない程大きく形を変えたそれを自分が命令する侭に喉の奥まで咥え込み、只管奉仕し続ける。前髪を掴んで喉の奥まで突き込んでやっても、涙に滲んだ瞳を苦しそうに顰めながら腰にすがり付いてくる。大した、忠義心だ。
「俺はロッドみてぇに優しくはしてやらねえからな、怪我したくなきゃお前のケツも自分で慣らせよ」
 顔一面に白濁をぶちまけた後、休む暇を与えず再び紅い口唇の中に欲望を押し込み残った残滓を吸わせながら自室から持ってきたローションを投げつけてやった。
 

 何か言いたそうな顔でこちらを見た後、目の前で恥じ入るように滑りを纏った指先で己の最奥を犯すマーカーに昏い笑みを浮かべる。昼間自分達に見せている、何の穢れも知らないような表情からは想像がつかないような、悦楽に身を支配されまいと必死に贖うカオが堪らない。
 隷属させ、恥辱に震える顔を見てみたい、と支配者の加虐心をひどく煽る顔だ。
「オラ、いつまでちんたらやってんだ?どれ、何だまだキツいじゃねぇか。そんなんじゃ俺のは入らねえぞ」
 躊躇い、何時までも頭を垂れたまま最奥を慣らしていたマーカーに痺れを切らし、抱き寄せ大きく脚を開かせて濡れたそこに指を突き入れ内の具合を確かめる。
柔らかくなってはいるが、とてもこんな状態では無理矢理挿入しても、自分の方が痛みを感じてしまうだろう。
 ぐちゃぐちゃと乱暴に内を掻き回し、悲鳴のような嬌声を上げるマーカーに口唇を寄せる。
「ロッドはどんな風にお前を抱くんだ?」
 其の名前を口にすれば、きつく閉じていた瞳を見開いて残像を追い払うように首を振る。ほう、なかなか、可愛らしいところもあるではないか。
「もういいだろ、んじゃケツこっち向けろや。・・・自分で広げるぐらいのサービスはしてみせろよ?」


「ひ・・・・ッ、あ、・・・・隊長、あ・・・・・・」
 愉悦の声が、両手で必死に押さえている口の隙間から零れ落ちる様子に苦笑いを浮かべる。本当に呼びたい相手の名前を呼ぶわけにもいかずに、歯型がつくまで食い締められた掌はシーツをきつく掴み真っ白に血の気が引いている。
 両手でシーツを握り締めて上体を獣のように伏せ、腰だけを持ち上げられて獣のように貫かれている身体は快楽に咽び泣きながら、びくびくと震えている。
「いいぜぇマーカー。お前ん中、俺のに絡み付いてきやがる。こりゃ癖になりそうだな。」
 先程から一度も触れられず、張り詰めた己自身が苦しいのか涙を零しながら喘ぐ身体を更に奥まで貫き、揺さ振りながら笑う。
 熱を孕んだ腰を何度も打ち付けて、濡れた音を大きく響かせながら熱く自身を包み込む粘膜に白濁を注ぎ込み、吐き出したそれを潤滑油代わりにまた奥を穿つ。
 繋がった部分からポタポタと零れ落ちる精液を指で掬い、荒く息をつく部下の顔に擦り付けながら低く甘い声で囁いてやった。
「休んでる暇はねぇぞ、俺が満足するまで今日は付き合って貰うからな」
 
 なんてったって、喧嘩両成敗だからよ。と心の中で呟きながら。

 さて、泣いて縋るか、見て見ぬ振りをするか。
 お前はどう出るんだろうな?ロッド。

- 73 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -