Strawberry Milk Candy(3)


「…・リッちゃん、もう寝てんのかよ〜、オラ、隊長様のお越しだぜ?何丸くなってんだ、病気のふりしやがったって無駄だぜ?」
 薄暗い部屋に響く、絡み付くような低く甘い声。
 丸く膨らんだ布団を撫で擦りながら甘い声で囁く男に、蹲った陰がぴくり、と反応を返す。
「なァに恥ずかしがってんだ、今更…オラ、さっさと脱げよ、今夜も寝かせねぇ…・って…」
 蕩けるような低音で囁きながら捲った薄布の隙間から、するりと伸びた細い腕が驚くほどの速さで蛇のように首の後ろに絡み付いた。
 思いもよらない、仕掛けられた罠に気付いた時には既に毒蛇は首筋に噛み付き、チロチロと耳に舌を這わせ…悲鳴をあげる暇もなく薄い口唇に哀れな獲物の口は塞がれてしまっていた。
「ええ、今夜は寝かせませんよ…たっぷりと可愛がって頂くまで。覚悟してください、ハーレム隊長」


 ニィ、と淫猥に細められた蛇の瞳に囚われ、抵抗虚しく寝台に引き摺り上げられた哀れな獅子舞の悲痛な叫び声など、既に安らかな夢の中の住人となったリキッドには届く筈もなかった。

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