『セブン』

2010/01/17 22:29

これは契約だと思えばよろしい

『セブン』

このような華やかな場に不釣り合いなマスコット付きのストラップは黒いテーブルクロスの中で溺れているかのように見えた。

「どうかされましたか?」

「…いいえ、このような場所は不慣れで…その、少し気後れしてしまったようです」

そう言えば単純なことに目の前の男はあっさりと信じてくれたらしい。

「大丈夫ですよ」

そう笑って手を差し伸べてきた。

「今宵のあなたはとても美しい。むしろこの店ではあなたが主役と言っても過言ではないでしょう。…ほら、他の客も見てる」

よくもそんなお世辞を、と。

そっと控えめに辺りに視線を這わせると
確かに何人かの客がこちらを伺っている。それだけではなくどうやら厨房からも覗かれているらしい。

しかし見ている客やスタッフは女性も多い。1人、2人…見られてるのは彼の方。

そうして視線を上げた先に、予想外人物を認めて彼女は硬直した。


しかしそうしている間にも
男はにこやかに口を開いた。


「どうです?
…私と結婚しませんか、ユフィ如月」




《どうしてあなたがここにいるの》


コメント
2010/01/18 07:13 シキ [編集]

らいさま〜!!
めちゃくちゃ嬉しいコメありがとうです!!うふふ、もうこのまま皆さんの想像にお任せしたいとこではありますが(笑)
もう少し続きます。どうぞゆるりと
お待ちくださいませませ?(*^_^*)


2010/01/17 23:16 らい [編集]

くああ!めちゃ素敵なんですけど!!? 

『ユフィー如月』ってしめくくりがまた格好よすぎるっ!! 

色々なパターンで想像が膨らむ文章って大好きです!
あー!ドキドキしたー!!


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