『ぬるくゆるく』

2009/12/17 14:55


「飲まないのか?」

彼が指差した缶コーヒーは
暖をとるために彼が買い与えたものだ

『ぬるくゆるく』



「あれ?ユフィがコーヒーなんて珍しいね」

すでにぬるくなって久しいそれは
少女にとっては貴重なものだった

「うん、寒いから買ってみたんだ」

…嘘。買ってもらったくせに。

「ふーん、ユフィは
ヴィンセントと冬休み遊びに行かんの?」

「そっちこそアーとはどうなの?」

「え?まあ遊んでもいいねんけど」

「それにアタシ長期休暇は忙しい」

「今年も?」「今年も」「来年は?」「来年も」

なんやつまらんなあ。そんな最近できた友達はそうコメントするだけに留まった。

嘘。アーヴァインから聞いてるくせに。

本来、アタシに自由はない。
本来、アタシは存在しない。

こんな高校生は存在する筈がなかった

本来のアタシが家に居ない。
本来はアタシの家は厳しい。

なぜ遊んでいいのか。
なぜ黙認されているのか。


わからない。

16で史上最年少で
正式に継承したそれは何故隠されるのか



(何?…嫌な予感がする)






ミッドガル学園都市。
波乱の冬休みはすぐそこ


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何か話に動きがあると嬉しいシキです。

連日の拍手ありがとうございます!


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