『露天』

2009/12/12 14:30



頭だけが存外に冷たくて
意外と意識だけが冴え冴えとなるようだ

『露天』


「あれ?ヴィンセントも来てたんだ」

「アーヴァインか…」

閉じていた瞳を開けると菫色の瞳が見えた

「ウータイの露天風呂有名なんだーって
セフィが騒いでたけど…結構いいね」

「シャワー派のお前が…?」

僕だってお風呂好きだよ〜、とおどけた声音にヴィンセントが音もなく笑った時だ


「わー、広いねぇ〜」
「お、貸切じゃん!!」

寒空に響いた少女達の声に彼らは硬直した


そうしてやたらにこの男湯と女湯を隔てる木製の衝立が気になる。非常に気になる。

それはまるで紙のように薄くも、分厚いコンクリートのようにもヴィンセントには感じられた。

いやどちらにしろウエポンよりも強敵であるのは間違いない。(撃破できる事も含め)

それはアーヴァインも同様のようで、こちらと目が合うと引きつったような笑みを浮かべた。その木製の衝立の向こうに彼女達がいるのだ。一糸も纏わない姿の。

(…どうする?)
(ここは上がった方がお互い良くないか?)(でもセフィ達のお風呂なんて滅多に…!!)

何故か小声で話始めてしまった男性陣をよそに女神達の弾んだ声が寒空に反響する。

『ホンマに気持ちいいわぁ〜』
『ホント!?セルフィ大好き!!』
『きゃーーっ』『あははっ!!』

 バシャバシャ

(ユフィがうらやましい…)
(セルフィになりたいっ…)

湯船に撃沈する(ごほこぽごぼ)
男性陣そっちのけで会話は続く

頭だけが冷え切って、身体が熱い。

まるで理性との葛藤のようだという男性陣の呻きは、やはり寒空に消えた。



※続く。
ってか一番やりたい話に到達してない(泣)




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