【03 鏡の前】
2009/12/10 08:00
鏡の前に立ってみる。
3年前より少し伸びた髪
自分じゃあんまり実感ないけど
アタシは結構変わったらしい。
どこが?なにが?
ねぇ、アタシは綺麗になった?
冗談なら簡単に言える筈の言葉でも
いざ真剣になると気になってしまう、
恥ずかしくて言えない。この弱虫め。
小さい頃は…ただ早く。
オトナになりたかった。
もちろん今もなりたい。
誰もが振り返るような。
かあさまのような。
あのひとのような。
きっと若く遠い存在だったから
憧れて、理想で、崇拝さえしていた。
――……まさに永遠の女性。
でも、実際は
醜い自分にウンザリする。
甘美な幻想を夢見る子供
そんな自分に吐気がする。
「 ア タ シ は 醜 い で す か ? 」
「醜くはないだろう」
突然届いた声にアタシは驚いて
思わず、笑い出してしまったの
「時間よ止まれ。そなたは美しい」
その声に救われてしまっただなんて
…悔しいから内緒だけど。
(ヴィンセント…なにそれ?)
(戯曲ファウスト…の台詞だ)
だいぶ前なのに覚えている台詞。
確かファウストだったかな〜、と
やたらに
ファウストとヴィンセントが重なる
きっとメフィストはルクレツィアだ
コメント
2009/12/10 19:21 シキ [編集]
でもやはり戯曲で一番好きなのは
『夏の夜の夢』byシェイクスピア
あれは好き。あれが好き。
ロミオとジュリエットよりもよほど。
書くなら読むならあんな話がいい。
シキは完全平和主義者ですから(笑)
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