*一護の場合。
にょきりと、突如背後から迫り出た顔に仰け反る。
「のわっ!?」
「修兵、なんかつけてる?」
終業のチャイムが鳴るのと同時、一護は真後ろの席から身を乗り出し、修兵の首元へ鼻先を寄せながらすんと息を吸い込んだ。
「いや、香水もなんも…あ、シャンプーなら昨日から変えてっけど…」
「あー、やっぱり」
「!?(やっぱりって何!?)」
*恋次の場合
「檜佐木さん、喉でも痛いんスか?」
何の脈絡もなく、唐突に恋次から言われたそれにぽかんとする事数秒。
「…え、なんで分かんのお前」
「いや、凄ぇ甘い匂いした。あんたが飴なんか食うの珍しいだろ」
「あぁ、さっき一護にいっぱい貰って…」
ザラザラと、ポケットからカラフルなそれらを取り出す。
「やっぱり」
「(…………)」
*阿近先生の場合
保健室にて。
「ほう……」
「な、何…?」
入るなり早々、顎へ手をやりながら修兵の旋毛へ鼻先を寄せて考え込んでいる。
「今度はラッ○スか…悪くねぇ」
「なんで!?なんでそんなん分かんの!?」
「任せろ」
「何を!?」
(俺…そんな色んな匂いしてんのかな…)
終わる。
1日に最低3回は匂いを嗅がれる男、檜佐木。
あたしも嗅ぎたい。(殴)