注※下ネタ
放課後、寮にて。
「一護ー、次の巻は?」
寮に帰って早々自分の部屋へは戻らず制服姿のままの恋次が、一護の部屋の真ん中を陣取って床に座り込んでいる。
本棚へ几帳面に並べられた漫画を端から読み漁ること数時間。
「その下の段の左端…って違ぇーよ!なんっでお前いつまでもここにいんだよ、狭いんだよデカイ図体で居座りやがって!漫画ぐらい持ってってテメェの部屋で読みゃあいいだろうが!」
「あ゙あ゙?量多くて面倒臭ぇじゃんよ、イッテェ!!」
冷蔵庫から勝手に取り出したコーラを煽る恋次の額に、一護が手にしていたシャーペンがヒットする。
「それ俺の!」
「痛ぇな!刺さんだろうが!!」
大体なんで俺だけ課題やってんださっさと戻ってお前もやれそんなんだから補習ばっか受けんだよ馬鹿云々、延々続きそうな一護の説教も何処吹く風だ。
「あ、そう言やお前今度の学祭うちのクラス何やるか聞いてっか?」
「あぁ、なんかまた女装カフェかお化け屋敷かとか言ってたぞ、面倒だな…」
さして興味も無さそうに漏らす一護に、恋次はピクリと片眉を上げた。
「なにぃ!?馬っ鹿お前、良く考えろ!今年は檜佐木さんが同じクラスにいるだろうが!」
「おぉ……ぉおっ!?」
「そうだ、という事はだ、女装カフェになりゃあ檜佐木さんのあんな格好やこんな格好…!」
「なにぃ!?いや、待て、お前修兵で何考えてやがんだ、ぶっ飛ばすぞ!」
恋次の発言であらぬ妄想が駆け巡ったのか、途端真っ赤になった一護は誤魔化す様に恋次へ吠えた。
「ハッ、何今更イイ子ぶってやがる、お前今想像したろ、想像しただろ、吐いてみろ」
「…セ……セーラー服」
「!!」
肌チラギリギリのセーラーに映える赤のカラー、涼やかな襟元、紺色プリーツのミニスカートに極めつけのハイソ。
妄想力豊かな恋次の脳内でヴァーチャル化された修兵が、ひらりとスカートの裾を翻して振り返る。
(や、やべぇ…!!!)
一人勝手にダメージを受けた恋次が、鼻を押さえて短く唸りながら前屈みの姿勢で押し黙った。
「な、なんだよいいじゃねぇか、何かリアクションしろよ!大衆シンボルにもなってんだろうがなんだアレほら、セーラー服となんとかって!」
「悪ぃ一護…俺のきかん坊が…っ!!!」
「オォォイッ!!!テメェなに人の部屋でおっ勃ててやがんだ!!なにがきかん坊だ馬鹿か!!それ言うなら機関銃だろうが馬鹿野郎!」
「許せ!男の性だ!!」
「性じゃねぇオメェのは煩悩だ!修兵に言いつけんぞ!!」
「ちょ、それだけは止めろ!!俺の股間、間違えた沽券に関わる…!」
「お前の沽券も股間もどうでもいいわァァ!!帰れ変態!!」
「グフォアッ!!!!!」
煩悩まみれのきかん坊にめり込んだ一護の回し蹴りに悶絶した恋次が廊下へつまみ出されて、大騒ぎした二人一緒に寮母さんの雷をくらうまで、あと数秒。
一方、空座二高、医務室にて。
「ぶぇっくしょい!!!」
「なんだ修兵、風邪か?」
「いや…なんか今、悪寒が…」
「…添い寝してやろうか」
「なんで!?」
終われ
なんかもう…全部ひっくるめて、
すませんでしたァ…ッ!!(土下座)