空座第二高等学校
二学年
阿散井恋次17歳
想い人:檜佐木修兵
習慣:一日、一セクハラ
「…何見てんだよ」
「腕」
「…うで?」
「そう、腕。檜佐木さんいっつも腕出してますよね」
癖なのか、なにかの拘りでもあるのか、修兵は毎回体育の時にはTシャツの袖を捲り上げている。
片方の時もあれば、両方の時もあり。
恋次はそれを指差しながら指摘した。
「あぁ、なんか癖でよ。なんだよ、ダメか?」
「いやダメじゃないっス全然(寧ろイイっス)。ちょっと…貸してみソレ、こっち伸ばして」
肩の辺りまで晒されている修兵の腕を取ると、恋次はぐいーっと無遠慮に自分の方へ引き寄せた。
そのまま己の二の腕と並べて交互に見比べ始める。
「ソレってなんだよ!ちょっ、おい、なんかお前と比べんのすげぇヤダ!」
「白」
「うるせーな!」
「細」
「細かねぇ!お前が無駄にゴツいんだよ」
「なんか……」
「……え、なに」
「美味そうなんだけど、ヤバイ俺」
「いや、さっきからなんなん、」
ガ ブ リ
「ってギャーッ!食うなー!!」
恋次に噛み付かれた腕を必死に振り払う。
修兵は顔を真っ赤にして怒りながらばばばっと捲り上げていた袖を下ろすと赤髪を拳で殴り付けた。
「痛ェッ!!なんスか減るもんじゃなし!」
「もうやだお前!こっち来んな!減るわ!馬鹿か!」
「ほんの冗談じゃないっスか、ブフォッ!!」
後ずさる修兵の眼前、恋次の顔面にバスケットボールが食い込んだ。
ぎょっとした修兵が振り返った先、一護がボールを床にドリブルさせながら青筋を浮かべている。
「おう、もう一発いっとくか、馬鹿恋次」
「て、てめぇ…」
鼻をおさえてうずくまる恋次の後頭部、バコッと音を立てて沈み込んだ何かが追い打ちをかけた。
「お前ら、真面目にやんねぇと後でペナルティかけんぞ」
出席簿を手にして仁王立ちで片眉を上げている拳西が、一言そう告げて去って行く。
「ほら見ろ、怒られたじゃねぇか!!」
「…お前のせいだぞ馬鹿恋次」
「なんで俺ばっか…」
終わる
今度は修兵に噛みつかれて貰いました。
こんなんばっか!
修兵の二の腕に噛みつきたいのはあたしです。