※Sun Like番外。

先日からのこの対応の差。…一体何なんだろうか。
英国紳士とはイマイチ理解できないものがある。

「なまえさん、足元に気をつけてください。…さあ、お手をお貸ししてください、私がエスコートいたします。」
「え…いやあの、平気ですからお構いなく…。」
「それは残念ですね…では、このデザートはいかがですか?中々に美味しいと母国での評判も良いんですよ。」
「はあ…有難うございます…。」

何だかまるで一郎太がグレードアップしたような外見のイギリス代表チームナイツオブクイーンのキャプテン、エドガー・バルチナスさんのさっきからの対応に思わず困惑しつつ、何とか受け流している。…え、本当にエドガーさんどうしたの?
先日の親善パーティでは、まあそんなに酷く馬鹿にはされなかったけど、それなりに何だか冷遇されてたようなわたしへの対応がガラリと変化してしまっていた。

まあ親善パーティの時は…分からなくもないけど。わたし思いっきりヒールを折っちゃってたし全然なんていうか女の子らしくなかったし。
そもそもわたしなんかよりもマネージャー三人が可愛すぎるっていうのもあって、…ついでに言うなら冬花ちゃんが凄く可愛らしかったから…やめよう、何か自己嫌悪に陥りそう。もういいんだ、佐久間くんとか源田くんが可愛いって言ってくれるからそれでも。うん。

「…なまえさん?大丈夫ですか?」
「え!?え、ああ、大丈夫ですよ…。」

…とか色々考え込んでいたら突然上から降ってくる声。…テレスくんとかを見ても思うけど、何かやっぱり外国の人って身長が高いのかなぁ。ここまで自分の身長がコンプレックスになるなんて。

「…貴女はいつでも他の事を考えていらっしゃるようですね。」
「…は?」

突然切なそうな声で言われたから、思わず変な声をあげてしまって、慌てて口を手で塞ぐ。

「いえ…良いんです、可憐で美しい花にはたくさんの蜂が寄るもの。美しく珍しい蝶ならば捕まえてしまいたいと思う者が多くいるもの。それと同じことであることは分かっているんですよ。」
「はあ…。」

悩ましげに溜め息を吐くエドガーさんに本気で困惑する。…何が言いたいんだろう、この人。
この人の言い回しは確かに女の子が好きそうな感じなのではあるのだろうが、正直に言って意味が分からないからわたしは苦手だ。言いたいことが遠まわしすぎて理解できない。…わたしが馬鹿だからかしら。

「ですが…。」
「え?…え!?」

ぼんやりしていると不意にひょいっと抱き寄せられる。逞しい胸に抱きこまれる形になって、一瞬にしてパニックに陥る。
一郎太に抱き寄せられるのとは何か格が違う。…何か、前が見えない、全然。

「せめて…今だけは私の事だけ、考えてくれませんか?レディ。」
「な…!?」

…一応言っておくが、ここはパーティ会場のど真ん中だ。
会場の視線を悪い意味で独占してしまい、わたしの方の精神が耐えられなくなって。
…それからの事は、全然覚えていない。でも目を覚ましたら一郎太を始めとするイナズマジャパンの皆に怒られてしまった。
…わたし、何も悪いことしてないのに。


20000のキリリク。氷麗様に捧げます。
エドガー

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