※Sun Like番外編

わたしよりも遥かに高い身長。がっしりしていて、何て言うんだろう、男の子らしい体つき。まさにわたしなんかよりもGKに相応しい相応の体つきの源田くんは外見から見ればやっぱりイケメンさんに入るんだろう(春奈ちゃんから熱弁された)。
わたしは特にカッコイイとか外見にどうこう思ったことが無いからわかんないけど、源田くんは春奈ちゃん曰くモテるイケメンさんなんだという話だ。

…でも、残念だけど。

「なあ、円堂!あっちの方にも行ってみよう!」
「え、あ…うん。」

今のわたしから見たら、源田くんから犬耳が見えるような気がする。…ぶっちゃけて言って、凄く可愛い!カッコいいんじゃなくて、もう撫でたくなるくらい可愛い!
この間ばったり源田くんと会って、メアドを交換して(一郎太達に問い詰められて)早一ヶ月。毎日毎日メールが来てたけど、突然明日遊びに行かないか、と来たからいいよ、と返して、今日源田くんと遊びに行くことが急遽決定したわけだけど。

「これ、可愛いな!」

…何か本当に幸せオーラ全開、と言うべきなのだろうか。凄く嬉しそうで、わたしの目にはさっきから源田くんにぴんと立っている柴犬みたいな耳と、ぶんぶん振られる犬の尻尾がついているように見えて仕方ない。

(撫でたい!凄く撫でたい…!いやでも、そんなことしたら源田くん嫌がるだろうし…大体身長が届かない…!)

今ほど身長が低い自分の身体を嘆かわしく思ったことは無い。わたしの身長は一郎太よりも低く、吹雪くんと同じくらいの身長だ。
長身の源田くんとは優に頭一つ分違うため、目線を合わせるのも大変なのだ。
それなのに頭を撫でる、というのはもう不可能でしかない。源田くんに屈んでもらわないと手が届かないのだ。

「…円堂?大丈夫か?」

…と悶々と一人考え込んでいたら、突然源田くんの顔が現れる。心配そうな表情をしてわたしの顔を覗き込んできていた。…あ、今なら手が届きそう。

…なでなで、なでなで。

「…円堂?」

思ったよりももふもふしている茶色の髪を無言で撫で続けると、流石に心配そうな顔から困惑の表情をたたえはじめた。…本当に可愛いよ、源田くん。

「源田くん…可愛いってよく言われない?」
「は?俺が可愛い?」
「うんそう。…もう、すっごく可愛い。可愛すぎるよ源田くん。」

更に困惑した表情を固めた彼は黙ってわたしの手に撫でられ続けていた。その間、好きなように頭を撫でる。…髪の毛ももふもふしてて柔らかいし、本当に犬みたい。
…ところが、流石というか何と言うか。次の源田くんの切り返しに思わず絶句してしまった。

「俺よりも、円堂のほうが可愛いと思うぞ。こんなにちっちゃいし、守ってあげたくなるしな!」
「な…!?」

可愛い、なんて同性から言われたことはあれど、異性から可愛いなどと一言も言われたことのなかったわたしは、瞬時に凍りつく。…可愛い…誰が?え、わたしが!?
思考が停止してしまったわたしが次に気付いたときは、既に源田くんの大きな手のひらがわたしの頭を撫でている途中だった。

after〜
音「見て見てお兄ちゃん!ほらあそこ!流石わたしの情報網でしょ!」
鬼「ああ、春奈。有難うな。…源田め、本当にちゃっかりしているな。」
風「円堂…!あれだけ気をつけろと言ったのに…!」
豪「…恐らくお前と二りっきりで行動を重ねた結果、全く男に対する警戒心がなくなってしまったんだろうな。」
鬼「そうだな。風丸、お前のせいだ。」
風「何でだ!…って源田、顔が近い!」
鬼「何っ!?…で、何で突然円堂は源田の頭を撫で始めたんだ?」
音「…可愛いって言ってますけど。」
豪「…そういえば円堂は無類の可愛い物好きだったな。」
風「昔からだな、あれは。可愛いと思ったら即座に頭を撫でたくなる衝動に駆られるらしい。」
鬼「…ということは、源田は今のところあくまで“可愛い”と認識されている、ということか…?」
音「男性として、っていうわけじゃなさそうですよね、少なくとも。」
豪「そうか…なら安心…出来ないぞ。」
風「な、円堂が赤くなってフリーズしてる…!?」
鬼「しかも円堂の頭を普通に源田が撫でているだと…!?」
豪「風丸といい源田といい…何でああも簡単に頭を撫でたり抱きしめたりスキンシップするんだ!」
風「俺は昔からだと言っているだろう!…にしても…円堂…!」
音「明日、またどういう状況だったか聞かないと、ですね!」
豪「…ああ。」
鬼「…そうだな。」
風「…覚悟しろよ、円堂。」


9000のキリリク。昴様へ捧げます。
源田

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