きっと周りが考えている俺のキャラからは想像できないだろうし、自分ですらこんなことがあるのかと驚いているくらいだ。

偶然、いや、もしかしたらこういうことが大好きな音無あたりが仕組んだことなのかもしれないな。まあそれはさておき、ただみょうじさんと二人きりで話をしているだけだというに、今までにないくらいかなり緊張している。

普段通りに自分を保って、何か甘い台詞の一つや二つでも言えれば良いものを、浮かんでも喉から先には踏み出そうとしない言葉の数々につい焦ってしまう。そうして何もできないような状況の延長線上に今がある。やっぱり俺らしくないなあ。

いつのまにか恋愛話に発展した会話にどこか不安に駆られながらも、何だかんだで楽しさは隠しきれず笑みが溢れる。


「基山くんってベタな告白が似合いそう」
「そうかな?」
「うん、花束とかね」


一通り笑ってからまた話題が変わる。女の子は話の切り替えが驚くくらいに早いと聞いたけれど、みょうじさんなら何となくそれすらも心地よく感じる。

恋は盲目ってこういうことなのかもしれない。本当に俺はみょうじさんのことが好きだな。そう思ったのは昨日のことで、今は大きな大きな花束を持ってみょうじさんの前にいる。
どうせ告白するのなら自分に合ったものにしよう、それで断られたらそれはそれだ。そう決意したことを何度も心の中で繰り返して花束を差し出す。


「好きだよ」


目を閉じて返答を待つと、控えめに花束に手が触れたのが分かった。そしてふわりと腕から花束の重さが消える。ゆっくり目を開けると真っ赤になりながら花束を抱えたみょうじさんがいた。


「わ、私も基山くんのこと、」


好き、とでも続くのだろうけど我慢しきれなくなって花束を気にせず抱き締める。ふわりと舞う花びらはとても綺麗だった。



キルシェの陽依奈ちゃんから相互記念に頂きました!いやいや、ヒロトかっこいいなホントに^^
陽依奈ちゃん、これからもよろしくお願いします(*^^*)


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -