アジア予選の決勝戦は明日だ。
そんな中、僕はようやく土方くんとの連携技を完成させた。
ついでに僕個人のディフェンス技もでき、これは明日の決勝戦で使えそうだ。
エイリア学園では僕の立ち位置だったそこは、今では虎丸くんに取られつつあるからね…どんどん技に磨きをかけないと。

離れた場所に置いてあるボールを敵に見立て、僕はそれに一直線に走る。
距離が縮まったところで地面を強く蹴り、空中を切り裂く。
キラキラと雪の結晶が僕の周囲を舞い、僕が地面に着地すると敵として用意したボールがピキンッと凍った。
これが僕の新しいディフェンス技だ。
アイスグランドを改良したようなもので、複数の敵を封じることができるだろう。

そうだ、名前をどうしようか。
下手な名前を付けるより、折角僕が編み出したんだから僕が考えよう。

雪に因んだ技だから…スノー…うーん…。

「吹雪くん、今の新しい技?」

悩む僕に声をかけてきたのはマネージャーのなまえちゃんだった。
何かと気遣いをしてくれて、僕の癒しのような存在であることは彼女には内緒だ。

「うん。明日の試合で使えると思って完成させたんだ」
「すごいね!吹雪くんの技って、どれも綺麗でカッコいいから好きなんだ」

純粋な感想を述べるなまえちゃん。
思わず好きという単語に反応してしまった。
ああ、でもなまえちゃん可愛いな。
今が練習中じゃなかったらぎゅっとしたいのに。
僕は人目は気にならないけど、監督は恋愛事に厳しそうだから迂闊な行動はできない。
まるで天使みたいななまえちゃんが…………天使…?

「あ、思い付いた」
「ん、どうかした?」
「うん、さっきの必殺技の名前が閃いたんだ」
「どんな名前なの?」
「その名も、スノーエンジェル」

ぱっとなまえちゃんを見て思い付いたのがそれだった。
語呂も合っているから、良いとは思うんだけど。

「わ、すごく神秘的な名前だね!直訳して雪の天使かぁ…まるで吹雪くんみたいだね」
「僕が思う雪の天使はなまえちゃんなんだけどな」

え、と声が漏れたなまえちゃんはたちまち顔を真っ赤にさせた。
そんな様子もすごく好きだ。
天使なんて単語は、なまえちゃんにこそ相応しいんだけどな。


「練習中なのにイチャイチャしすぎですよね、吹雪さん」
「気にするな虎丸」
「…あの二人に向かって連携技をやってみませんか、豪炎寺さん?」
「……お前、性格変わったな」

まさしく雪の天使

(応援してよね、天使さん?)


相互記念として怜さんから頂きました^^
※お持ち帰り禁止です。


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