※Sun Like番外編 いつでも必ず誘われる…というより連行されるに近い円堂との買い物。 今までは女子との買い物、ということで嬉しい反面、気恥ずかしさも手伝って中々積極的にはなれなかったが…。 「一郎太、これどう?」 「…それもいいが、こっちの色の方が良くないか?」 楽しそうににこにこ笑いながら何着かの服を持って自分の体に合わせている円堂を見ながらアドバイスする。 普段はサッカーばかりの彼女でも、やっぱり女の子。 こうやって買い物をしたりすることも大好きだ。 …そして、幼馴染みだからこそ、その買い物に付き合えているわけだ。 本来であれば、こういう事はやはり彼氏なんかが付き合うものなんだろう。 円堂にそのつもりは無いにしてもやっぱり好意を寄せる側としては嬉しいわけであって。 「…最近、一郎太やけに一緒に買い物に来てくれるね。」 純粋に疑問に思っているんだろう、首を傾げている円堂に思わずつまる。 唐突だが、彼女はモテる。それはもう、盛大に。 豪炎寺や鬼道は勿論、最近は帝国の選手からも激しくアプローチを受けているようだ。 今のところは本人が天然でかわしているところがあるから安心だが、だからと言って油断は出来ない。 少しでもアプローチの機会を減らしてしまわなければ、という考えから買い物に積極的に付き合おう、という結論に至ったのだが。 「一郎太?ねえってば、一郎太!」 「あ〜…うん、まあ気分だよ。そういう気分。」 「どんな気分なの…?」 不思議そうに首を傾げている円堂に、曖昧に笑って彼女の頭を撫でる。 …言えない、こんなこと絶対言えない。 鈍感な円堂のことだ、どうせ変な顔をされるがオチだろう。 「まあいいけど。わたし、一郎太と一緒に居るの、大好きだもん。」 「…っ!お前なあ…!」 さらりと殺し文句を無意識に言ってしまう円堂に思わず脱力する。 勘違いしそうになるから止めてくれ…! 照れから来る顔の熱を自覚してしまったらもう正常に判断なんて出来ないから。 「…ほら、行くぞ!」 「え、ちょっ…!」 余りにも彼女の言動に左右される自分が悔しくて、半ば八つ当たり気味に彼女の手を握って先を急ぐ。 久々に繋いだ手は、やっぱり小さくて、少しだけひんやりしていて、頼りなかった。 「…もう、一郎太ったら。」 からかうように笑う彼女も、そっと手を握り返してきてくれて。 言い様がない幸福感と、少しだけの優越感。 2つに満たされた俺は、その日1日ずっと夢見心地だった。 『また今度。』 その約束の日は、いつになるのだろう。 after〜 鬼「…風丸の顔がいつに無く緩んでるな。」 豪「鬼道、ツインブーストやらないか?」 音「やったら確実に紗玖夜さんに怒られますよ?」 鬼「そうだな、しかも相手は風丸だ。下手すれば…わかるな?」 豪「…そうだな。」 音「ここは私に任せてください!!バッチリ紗玖夜さんに聞き込みしてきますから♪」 鬼「ああ、すまないな春奈。頼む。」 音「ラジャー!」 豪「(…実は音無を敵に回すのが一番厄介なのか…?)…よろしくな。」 慣れきった幸福 大福様に捧げます。 [*前] | [次#] |