結局、あの帝国学園との試合の後、3日間くらいわたしは学校を休んだ。…というより、休まされた。まあ1日目あたりは身体に出来た痣やら何やらが痛んで、とてもじゃないけど動けなかったからなんだけど…。
ちょっと最近お母さんが過保護になった気もしないでもない、と思いつつ3日間過ごしてたけど、一郎太や秋ちゃん、果ては春奈ちゃん(本人がそう呼んでくれって)までもがお見舞いとか言って来てくれたのは嬉しかったな。

部室に行けば行ったで一年生に泣きつかれ、染岡くんにちょっと小言を言われ、半田くんやマックスくんも苦笑いしつつ心配してくれたり。
とにかく、何とかサッカー部は廃部にならずに済んだので、取りあえずこれからどうやって行くかという話し合いでもしようか、と部室に集まりミーティングを始める。

「ちょっと遅れちゃったけど、帝国との試合、お疲れ様でした。取りあえず、みんな自分たちの改善点をそれぞれ見つけたとは思うんだけど…。」
「改善点以前の話でしょ、体力が無さすぎだよ。」

悪気は無いのはよく分かるし、実際そうだなとは思ってたけど、マックスくんの一言に部室にどんよりした空気が流れる。本人もちょっとバツが悪そうにへこんだ?と言っていた。

「…まあ、それも改善点の一つね。あとそれと、基本的なことなんだけど…フォーメーションを考えてみたの。皆の長所や短所を考えて、お爺ちゃんが書いてた資料と併せて色々考えてみたんだけど…。」

気を取り直すようにその場を持たせ、ホワイトボードにフォーメーションを書き込んでいく。背が足りないところは…一郎太と染岡くんに助けてもらった。…本当に申し訳ない。

「んー…こんなものかな」
「えー!僕FWじゃないのー!?」
「お前…逃げた奴が何言ってんだよ。」

書き込まれた図に、真っ先に目金くんが文句をいい、他の部員がそれに対してブーイングをだした。…まあ、真っ当な意見だよね。

「戦略的撤退と言ってほしいね。」
「そうだね…でも申し訳ないけど、倒れてる味方を見捨てて戦略的撤退に走られるととっても困るの。前科がある以上、悪いけど信用できないから。その意見はナシね。」

未だに不満そうな目金くんに釘を刺すように告げた。直ぐ後。
がちゃり、と部室のドアが開き、秋ちゃんがひょっこり顔を出した。

「紗玖夜ちゃん、皆、お客さんだよ!」




 


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