いつもの通りに朝の練習をしていたら、男の子に会った。…それもただの男の子じゃなくて、とっても強いシュートを打つ子。何でもアメリカでサッカーをやってるらしくって、一対一で勝負してみたら、凄く強いシュートを打ってきた。何とか押し留めたけれど、ペナルティーエリアからシュートされていたら恐らくわたしの負けだっただろう。

「す、ごい…手がぴりぴりしてる…」
「あはは…ごめんね、女の子相手なのに本気出しちゃった。大丈夫?」
「あ、うん!これくらいなら何時もの事だから大丈夫!…でも凄いね、あなた…えっと…」
「ああ、俺一之瀬。一之瀬一哉って言うんだ!きみは?」
「わたし、円堂紗玖夜って言うの。よろしくね、一之瀬くん」

彼は鬼道くん曰く、彼はアメリカ代表入りが確定している天才日本人プレーヤーではないか、との事。人は見た目に寄らないって、きっとこの事なんだろうなあ…だって外見だけ見たら、普通に可愛い男の子なんだから。

それからはもう、彼に対して質問攻めだった。皆が皆、アメリカから来たトッププレーヤーが気になるんだろう。わたしも少しだけその中にいたけれど、直ぐに土門くんの頭が見えたからそちらへ行った。…その隣には何処と無くがっかりした感じの秋ちゃんがいたから、どうしたのかなあ、と思いつつ声をかけようとした、その瞬間。
突然、皆の輪の中から一之瀬くんが飛び出してきて、秋ちゃんに抱きついた。その光景に思わず一同揃って唖然とする。あの冷静そうな鬼道くんや豪炎寺くんも、このスキンシップは想定外だったのかぽかんとした顔をしていた。

「…俺だよ!」

ひときわ嬉しそうな一之瀬君の声の後に続いて、皆の驚きの声がグラウンドに響いた。



 


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