秋ちゃんの後ろに経っていたのは理事長代理で生徒会長の雷門さん、だった。

「…臭いわ。」
「んだとぉ!?」

そして、入った瞬間開口一番に、このご発言。…染岡くんがぎゃあぎゃあ文句を言っているのが遠く聞こえるぐらい、色々ショックだ。

(臭い…のかな、いやでも、運動部ならこのくらい当たり前、だよね…!?いやいや、でも普通の女の子ってやっぱりこういうの気に…するもの…かな?でもでも、秋ちゃん何も言わなかったし、…あ、もしかして我慢させてた…!?)

頭の中で色々パニックになっているのを一郎太に肩を叩かれてはっと我に返る。

「…全部口に出てたぞ。」
「え。」
「…悪かったわ、そんなつもりで言った訳じゃなかったんだけど。」
「…ええええっ!?」

…恥ずかしい、恥ずかしいよわたし!!

***

穴があったら入りたくなるほど恥ずかしい醜態をさらしてしまったわたしにサッカー部の皆と秋ちゃん、果ては雷門さんにまで代わる代わる慰めの言葉をかけてもらってしまった。
そしてそのあと、本題。

「尾刈斗中と試合…。ていうか尾刈斗中って何処?」
「さあ?申し込んできたから、受けただけよ。試合は一週間後だから。」

にっこりとそれはそれは可愛らしい笑顔で告げられて、わたしを始めとするサッカー部はぽかん、とした表情をしている。
何かいつにもまして強引だ。

「…で、勝てたらFFに出場できる、負ければ廃部…と。」
「ええ。…ああでもそうね、負けたら円堂さん、貴女に生徒会に入ってもらいましょうか。」
「…は!?何でですか!?」
「他の人と違って仕事が出来そうだからよ。…じゃあね。」

言いたいことだけ言って雷門さんは部室を後にする。残されたメンバーに漂う微妙、と言うよりも言うことが見つからなさそうな感覚に、わたしはひとり、溜め息を吐いた。



 


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