響木監督の怒号が響き渡った後のフィールドで、わたしは生まれ変わったイナズマイレブンの人たちに二点も取られてしまった。…響木監督の渇のお陰で、OBの人たちも目が覚めたらしい。元祖ゴッドハンドも見せてもらったし、今まで見たことも無かった必殺技…クロスドライブと炎の風見鶏を見せてもらった。この試合、すごい収穫をしたのかもしれない。
急いで鬼瓦さんにお願いしてタイムを貰って、皆をベンチに呼ぶ。炎の風見鶏、きっとお爺ちゃんのノートの何処かに書いてあったはず。

「あ、あった!これこれ!」
「…相変わらず解読不可能な文字だな」
「解読は出来たから大丈夫!えっと…この技はスピードがビューン、ジャンプがビヨヨーン…」
「…相変わらずの宇宙語だね!」
「…あははは…」

秋ちゃんの鋭い一言に思わず失笑が漏れる。…こういう所はあんまり似なくて良かったと思いたい。…ていうのは置いといて。

「スピードとジャンプ力か…陸上部の出番だな!」
「そっか!じゃあ1人は一郎太にお願いするね!…あともう1人は…豪炎寺くん、お願いしてもいい?」
「分かった、引き受けよう」

話はとんとん拍子に進む。その間、浮島さんが影野くんに何かしらアドバイスをしていたようだ。皆の中心にいたから何を言われていたかまでは聞き取れなかったけれど…良い助言をしてもらったに違いない。影野くんの雰囲気が、何処と無くしっかりとしたものになっていたから。
…本当に、今日の試合は得られるものがたくさんあった。響木監督やイナズマイレブンの皆さんに、ちゃんとお礼を言わなければ。

***

炎の風見鶏は、影野くんのアドバイスによって上手く成立した。何でも影野くんが言うには、この技を成功させるにはボールに対して2人が同じスピード、同じ距離を保っておかなければならないという。…確かに、わたしの位置やフィールドの内側からでは分かりにくい事だ。これはベンチにいる人ではないと中々気付けないだろう。

「お疲れ様!ありがとう、影野くん!影野くんのアドバイスのお陰で上手くいったんだよ!」
「キャプテン…俺、俺も頑張るよ」
「うん、そうだね。皆で頑張ろうね!」

河川敷の上を見上げれば、響木監督も頷いてくれた。…新しい技も習得したし、…次は待ちに待った全国大会。決勝で帝国学園と戦うために、頑張らなくては!



 


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