悲しみを拭うその手は、 | ナノ






「お前ら何やってる逃げろって言ったろ!オレが捕まった時点で白黒ついてる。オレ達の任務はタズナさんを守ることだ!!それを忘れたのか?カズハ、止めろ!」



危機感を感じたカカシが水牢の中から、焦ったように叫んだ。だけどそれにタズナはニッと笑う。



「なぁに……もとはといえばワシがまいたタネ。この期に及んで超命が惜しいなどとは言わんぞ。すまなかったなお前ら……思う存分にやってくれ」

『あれ?さっきの行動見たわかんないっすか?俺はこの二人に賭けてる』



その言葉にナルトだけでなく、サスケも戦う姿勢を見せる。



「……という訳だ」

「覚悟はいいな…」



再不斬は笑い出した。



「いつまでも忍者ゴッコかよ、オレぁよ…お前らくらいの歳の頃にゃもうこの手を血で紅く染めてんだよ…」



そして再不斬は霧隠れの里の鬼人と呼ばれた男の話を始めた。

かつて血霧の里と呼ばれた霧隠れの里では忍者になるための最大の難関がある。あの卒業試験と言ってまた再不斬は笑い出した。




卒業試験の内容は…



生徒同士の殺し合い。




それは二人一組となりやり合う、どちらか一方が命尽きるまで続くのだと言う。


ナルトたちは顔を青白くした。




「10年前…霧隠れの卒業試験が大変革を遂げざるをえなくなる…その前年その変革のきっかけとなる悪鬼があらわれたからだ…」



カカシは言いにくそうに語り、眉間に皺をつくる。



「変革って…?その悪鬼が何したっていうの?」



サクラが先を尋ねた。



「なんの躊躇もなく…なんのためらいもなく…まだ忍者の資格も得ていない幼い少年が100人を超えるその年の受験者を喰らい尽くしたんだ…」

『それが、今目の前にいる再不斬だよ……』





「楽しかったなぁ…‥アレは」





狂ったような笑みを向ける。



……すると再不斬はものすごいスピードで間合いを詰め、サスケを肘で打ち飛ばし空中で捉えるとそのまま裏拳で地面に叩き付けた。



「ガハッ!」



サスケの口から血がこぼれる。



「サスケ君!」

『サスケ!』

「死ね…」



再不斬はそう言うと、大刀の柄に手を伸ばした。



「くっそォ─!!影分身の術!!!」



ナルトはそうはさせるかと得意の影分身を何十と作り、クナイを身構える。



「ほー…影分身か、それもかなりの数だな…」

「いくぜェ!!」



ナルトが一気に再不斬に向かっていく。それを見計らいサスケを抱えカズハは飛び退く。




「クッ!」

『大丈夫か?」

「…あぁ…」




「ウラァ!!!!」


再不斬の声にカズハとサスケは振り向く。すると再不斬に飛び付いていた幾人ものナルトが皆、四方八方に打ち飛ばされていた。



『ッ……』



すると一人のナルトが地面を滑りながらもリュックから何かを取り出しサスケへと投げる。



「サスケェ!!」



それをサスケは受け取る。




『(風魔手裏剣……これは!?…よし)』



サスケが体制を整える時間稼ぎのためカズハは千本を構える。



『ハァッ!!』

「チッ!」

『サスケ!』

「風魔手裏剣影風車!!」



サスケは風魔手裏剣を構えると、高くに飛び上がり再不斬に向かって投げつける。



「手裏剣なぞオレには通用せんぞ!」



水分身の再不斬がそう笑う、だが風魔手裏剣は水分身を避け本体へと突っ込む。



「なるほど今度は本体を狙って来たって訳か…が…」

「「甘い」」



本体はいとも簡単に手裏剣を受け止める。それを見た3人は笑みを浮かべる。


それが目的だったのだ。


手裏剣を受け止めたのを見た瞬間、カズハが印を結び始める。



『水分身はちょっと黙ってようか!』

「な、何を…!!」

『氷遁、氷化水撃!』



水分身は氷の塊となり、砕け散った。


その間にに手裏剣に変化していたナルトによってカカシさんは救出されていた。




再び、上忍同士の戦いが行われようとしていた。




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