悲しみを拭うその手は、 | ナノ





一瞬にしてナルトの目の前に現れた再不斬。

水分身だ。


「ククク…偉そうに額当てまでして忍者気取りか?だがな、本当の“忍者”ってのはいくつもの死線を越えた者をいうんだよ。つまり…俺様の手配帳に載る程度になって初めて忍者と呼べる…お前らみたいなのは忍者とは呼ばねぇ…」



ドカッ!!

再不斬に蹴られぶっ飛ぶナルト。

その衝撃で額当てが外れる。



「―…ただのガキだ」

「くっ!お前ら!タズナさんを連れて早く逃げるんだ!こいつとやっても勝ち目はない!!俺をこの水牢で閉じ込めている限りこいつはここから動けない!水分身も本体からある程度離れれば使えないはずだ!とにかく今は逃げろ!」



カカシは叫ぶ。


しかしナルトは声を無視し再不斬へと向かっていく。



『なっ!』



勿論返り討ちに会うが、傍で倒れていたナルトの手の中には先ほどはずれ、今まで再不斬が踏み潰していた木の葉の額当てが握られていた。



『…ナルト……』

「おい…そこのマユ無し。お前の手配書に新しくのせとけ!いずれ木ノ葉隠れの火影になる男…木ノ葉流忍者、うずまきナルトってな!!」

『度胸だけは一人前だな、ナルト』

「なにぃぃい!」

『まぁいい。ほら、時間稼ぎしとく。サスケと話があんだろ?』

「!あぁ!サスケ!ちょっと耳貸せ」

「なんだ?」

「作戦がある」

『手短に頼むぜ?』




俺は手にクナイをもつ。



『サクラはタズナさんを』

「わ、わかった」

『影分身』



俺は影分身を5体作り出す。



水分身を5方向から取り囲む。



「…ほう…。本気を出すか?」

『俺は時間稼ぎだ!』



一斉にクナイを放つ。

しかし大きなあの首切り包丁ですべて弾き返される。



「甘い!」

『お前がな』




俺は再不斬に蹴りをいれる。多少後ろへと後退はしたが、ただそれだけだった。



「クッ!!」

『はぁ、水分身なのに消えてくれなかったか…』

「何をした?」

『何って今回転してクナイはじいただろ?死角ができる。それをついただけだ』

「流石だな…」

『だから、誰と勘違いしてんだよ』




まさか、夕理だとバレているとは思わなかったが今はそれどころじゃあない。

横目でナルトたちを見ると話し合いは終わったらしい。




『ナルト、終わったかぁ?』

「あぁ!」




さて、あの二人のチームワーク……どんなもんか見せてもらおうか。





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