徒歩で暫く進んでいた時。
「そこだぁ!!!!」
「「「「『!!』」」」」
ナルトが突然草むらに向かって手裏剣を投げた。
しかし、投げたところは何の反応もない。
『(…やめてくれ…心臓に悪い)』
しかし、反省しないのがナルトだ。また草むらに向かって手裏剣を投げた、が、サクラがすかさずナルトを殴る。
「いやぁ…確かにそこの気配が…」
「冗談はもういいから!」
『…………』
顔には苦笑いを浮かべたが、今ナルトがクナイを投げたところに気配を感じたのは本当だったりする。本当に、一瞬だったが。
カカシさんがナルトが投げた草むらをかき分ける。
そこのは白いウサギが一羽。
「なんだ、ウサギか…」
そのウサギを見てカカシさんの眉間に皺がよる。
もう季節は春だ。……ウサギは季節によって毛の色を変える。毛が今の時期白いわけがない。
『…あーあ…めんどくさいことになってきた』
「ん?カズハなんかいった?」
「!全員ふせろ!!!」
カカシ先生の声に全員が地面に伏せる。
すると頭上すれすれに大きな首切り包丁のようなものが飛んできた。その包丁のようなものは木に刺さり、その上には人が立っていた。
『(!!……まためんどくさいのが相手だなぁ…)』
「へーこりゃこりゃ、霧隠れの抜け忍、桃地再不斬君じゃないですか」
カカシ先生は、横で走り出そうとしたナルト君を止めた。
「邪魔だ、下がってろお前ら。こいつはさっきの奴らとはケタが違う。」
空気が変わる。
桃地再不斬。
ビンゴブックにも載る大物の抜け忍。
実際一度だけ、対峙したことがある。チャクラ量も術のスピードも上忍クラス。頭もキレる奴だったと記憶してる。
「写輪眼のカカシと見受ける……悪いが、じじぃを渡してもらおうか」
やはり、ガトーの刺客か……。
「卍の陣だ、タズナさんを守れ。…お前達は戦いに加わるな。それがここでのチームワークだ」
自らの額当てに手をかけるカカシ。
「再不斬。まずは…俺と戦え」
「ほー、噂に聞く写輪眼を早速見れるとは…光栄だね」
再不斬は嬉しそうに言う。
「それに…そこのガキ……なんでそんな姿してんのかはしらねーが…音無しの夕理だろ?」
『………』
「音無しの…夕理?」
『え?俺のこと言ってんの?勘違いしてんじゃねえ?』
「俺が間違えるわけがねえ」
『だって、俺の名前は白羽カズハ。最近下忍になったばっかの木の葉の忍。』
「フン、まぁいい……」
「さっきからシャリンガンシャリンガンって…何だそれ!?」
「写輪眼…いわゆる瞳術の使い手は、全ての幻・体・忍術を瞬時に見通し、跳ね返してしまう眼力を持つという…写輪眼とはその瞳術使いが特有に備え持つ瞳の種類の一つ」
サスケが説明した。
その顔には、驚きの色が含まれていた。
「…しかし写輪眼の持つ能力はそれだけじゃない」
「クク…ご名答。ただそれだけじゃない。それ以上に怖いのはその目で相手の技を見極めコピーしてしまうことだ」
再不斬が付け足す。
「俺様が霧隠れの暗殺部隊にいた頃、携帯していた手配帳にお前の情報が載ってたぜ。それにはこうも記されてた 千以上の術をコピーした男…“コピー忍者のカカシ”とな」
隣のサスケを見やると明らかに動揺している。
……無理もないだろう。
写輪眼はうちは一族の血継限界なのだから。
「さてと…お話はこれくらいにしとこーぜ。俺はそこのじじいをさっさと殺んなくちゃならなねぇ…」
「!!」
素早く四人はタズナの四方を囲んだ。
「つっても…カカシ!お前を倒さなきゃならねぇようだな」
再不斬はそう言うと、一瞬で湖の上へ移動した。
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