悲しみを拭うその手は、 | ナノ





「うひょう!でけェー!」

「コ…コラ!静かにしてくれ!この霧に隠れて船出してんだ。エンジン切って手こぎでな。ガトーに見つかったら大変なことになる」



結局波の国まで来ていた。

……タズナさんの巧妙な心理作戦によって。



今は船の上。


ナルトが声を上げたのは建設中の大きな橋を見たからだ。





「オレはここまでだ それじゃあな、気ィつけろ」

「ああ、超悪かったな」



一行は船を降りて徒歩での移動となる。



「よーしィ!ワシを家まで無事 送り届けてくれよ」

「はいはい」



カカシが気の抜けたような返事をする。



『やる気なさすぎだろ、先生』

「しょーがないじゃない」

『はは…』



といっても、タズナさんから聞いた今回の本当の任務内容は非常に危険が伴うことが判明した。


タズナさんを狙っているのはガトーカンパニーという一大企業。ガトーカンパニーは波の国を完全に掌握しているという。


しかし、タズナさんが作っている橋が完成してしまうとガトーはうまく波の国の掌握ができなくなる。


だから橋を完成させないためにもガトーは忍を雇い、タズナさんを狙っている。




……実際、この任務を下忍の私たちがやること自体間違っているのだが…。

なぜか任務は続行。



私がいるからって調子に乗らないでくださいよ、カカシさん。





それに、さっき倒した刺客は中忍だった。

そのことを踏まえると次に襲い掛かってくる刺客はどう考えても先ほどの忍びよりも格上。上忍レベルの可能性が高い。



無事に帰れるのだろうか。そう、誰もが心の中で考えた。



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