悲しみを拭うその手は、 | ナノ






私はこのあたり一帯を見渡せる木の上に身をひそめた。


カカシさんは開けた場所のど真ん中に、

サスケは木の上、

サクラは草むらの陰に身をひそめていた。



……ナルトは……。



「いざ尋常に勝〜負!!しょーぶったらしょーぶ!!」

「…あのさァ…お前、ちっとズレとるのォ…」



はぁ……忍びの基本がなってない…か。

ナルトらしいのだけど…。


そうこうしているとカカシさんは虎の印らしきものを結んだ。



「!ナルトー!!!早く逃げなさいって!!!アンタ死ぬわよォ!!!」



カカシさんが火遁を使うと思いサクラは大声でナルトに叫んだ。虎の印は火遁に使われる印だからだ。


でも……多分あれは、火遁じゃなくて……。



「遅い。木ノ葉隠れ秘伝体術奥義!!!千年殺し〜っ!!」



ほら。


ナルトは悲痛な叫びをあげながら飛んで行った。



カカシさん、絶対楽しんでる…。






その後、ナルトは影分身を使った奇襲作戦に出るが失敗。

そして、カカシさんが作ったブービートラップにいとも簡単に引っかかり木の上に逆さ吊り。

カカシさんの背後ががら空きなのをいいことにサスケがクナイや手裏剣を放つものの、そんなものバレバレなわけで変わり身で避けられ失敗。

クナイなどを投げたことにより場所がバレたサスケはすぐに場所移動。

それをサクラは追っていった。




『ナルト、大丈夫か?』

「あ、カズハ!助けてくれってばよ!」

『勿論。ホラ』



私はクナイで縄を斬ってやる。



「ありがとだってばよ」

『いや、あのさ、ナルト』

「なんだってばよ」

『俺と組んで鈴を取りに行かないか?』

「やだってばよ」

『なんで?』

「俺は俺の力で取りたい」

『……そうか、わかった。じゃあ俺は行くよ』

「あぁ!」



ナルトはダメだったか。


私はサクラを探しに森に入った。



背後からナルトの叫び声が聞こえたが……聞かなかったことにした。




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