貴重な休日である日曜日。その朝。私は普段使っているものではない寝具の中にいた。

それでもそれは、普段使っているものよりも居心地が良く、出たくないという衝動にかられる。




私は今、お付き合いをしている彼、土方さんの家にいた。しかしこの土方さん、実は私の先生で誰にも言えない関係だった。

知っているのは本当に限られていて、でもその数少ないこの関係を知っている千鶴ちゃんのおかげで私は日曜日の朝という今の時間帯にここにいられるのだ。

嘘も方便とはこのことで、親には千鶴ちゃんの家にお泊まりに行く、ということで通っている。千鶴ちゃんもこのことは了承してくれていて。むしろ、私の名前使って!と言われる始末。

もう、千鶴ちゃん、愛してる!



とりあえず、そんなこんなで、私は彼の家の彼のベッドに潜っているわけだ。


ちなみに私は起きているのだが、彼はまだ隣で寝ている。

教師、という職業に就いているにもかかわらず、彼は朝に弱い。

私はそっと、そんな彼のさらさらな黒髪を撫でた。



「ん……名前?」



寝起きの掠れた声で私の名を紡ぐ彼がどうにも愛おしくて、頬が緩むのがわかる。



『土方さん?まだ寝ててもいいですよ?』

「お前も、寝ろ」



そういって私の腰を抱き寄せる土方さんの腕。私は顔を土方さんの鍛えられている胸へと埋め、土方さんは顔を私の項あたりに埋めた。

土方さんの香りに包まれた私は、また眠りにつくことにした。



『ひじかたさ、』

「あ?」

『すき』

「……あぁ。俺もだ」



そういって土方さんは抱きしめる力を強くした。




微睡み




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