ネクロス王国の国王カイゼルは俺様であるという話は有名な話だ。
うん。間違ってないよ。
彼は昔も今も変わらない。そう、子供のころから……
「おい!名前!なにをボーッとしているのだ!」
『え?いえ……なんでもないです』
「全く……お前は昔からそうだからな」
『え?』
「お前は昔から人の話を聞かないやつだといっているのだ」
『……ハハッ』
「何が可笑しい?」
『いえ……ちょうど私も、昔のカイゼル様のことを思い出していたもので』
「ほぅ……で?」
『今も昔も変わらず、俺様だなぁと』
「俺様は俺様だ。ほかに何がある」
『そうですね。私としたことが」
「フッ、事のついでだ、覚えておけ」
『?』
「この世界にあるものは全て俺様のものだ。勿論、お前もな」
『っ!』
ニヤリと広角を上げた若き王がそこにはいた。
全て、独り占め
(私にも、一つくらいください)
(何がほしい?)
(……カイゼル様)
(な……っ!)
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