家に帰ってもどうせ勉強をしない私は毎日、図書館へと足を運び勉強をしていた。
でも何故か今日は凄く眠く、私は誰もいない図書館の机の上に伏せて意識を落とした。
感じた温もりに私は意識を浮上させた。
肩に感じるぬくもり。
そして目に入るオレンジ色の光。
『っ………』
「目を覚ましたか?」
『!』
目の前には夕日の逆光のせいで顔まで確認できないが誰かが座っていた。
「いつもここで勉強しているようだな」
『あ、山崎……』
「気がついていなかったのか?」
『ごめ、逆光で見えてない』
「確かに、今日は夕日が綺麗だ」
『ん、そだね』
そして肩の温もりの正体は、山崎のブレザーだった。
『コレ、ありがと』
「気にしなくていい。さて、勉強するのか?」
『いや、今日はいいや。帰る』
「そうか。じゃあ送っていく」
『え、でも』
「いいから」
『……わかった』
夕日差し込む図書館
『あれ、でもなんでここに?』
「眠っているお前が見えたから。放っておけなかった」
『優しいね』
「お前限定だ」
『!』
Title by リコリスの花束を
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