2週間ぶりの島ということでクルーそれぞれが自分の目的のため上陸する。
航海士はペンのインクの補充だったり、コックは食材の調達だったり、戦闘員は新しい武器を仕入れるためだったり。
そして医者は薬の調達のために。
2週間の間に起きた戦闘の回数は両手では数えれないほどだった。負けることはなかったが、怪我人はどうしても出てしまう。
当然、医療品の底が見えてくるのも時間の問題だった。
ハートの海賊団船長兼医者なトラファルガー・ローとその助手である名前は薬などの医療品調達のために上陸したのはいいが、運悪く、雨に降られてしまっていた。
「チッ、ついてねぇ」
『雨、止みそうにありませんね』
二人の手にはすでに購入した医療品がどっさり。
包帯やガーゼ、絆創膏などの比較的軽いものは名前が、消毒液や麻酔薬などの重いものはローが、
自然とそうなる手荷物に気づいた名前はクスリ、と笑った。
「あ?なんだ急に」
『いや、キャプテンが以外に紳士だなって』
「はァ?」
『荷物ですよ』
「……まァ…当然だろ」
『以外に紳士じゃないですか』
「以外が余計だ。それに……」
『それに?』
「好きな女に重いもん持たせる男がどこにいる」
『ッ……!』
「くくく、林檎みてぇだな。名前」
『う……あ、キャプテン!虹!!』
「あ?……あぁ、虹だな」
『綺麗ですね!』
「……そうだな」
「(話そらされたが…まぁ…あいつの笑った顔が見れたからよしとするか)」
『帰りましょうか、キャプテン』
「あァ」
雨宿りで見た虹色に君の笑顔を重ねて見てる
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