『待てコラ!隊長!!』
「待てって言われて誰が待つかよ!」
『屁理屈はいい!仕事しろッ!!』
白ひげ海賊団船上恒例になりつつある光景……それがこの白ひげ海賊団2番隊の追いかけっこだ。
「おう!エース!今日も逃げてんのか?」
「あぁ!今日の名前は一段としつこいぜ」
「だはは!頑張れよ」
「あぁ!!」
『って!サッチ隊長!捕まえてくださいよ!!』
「楽しみがなくなるじゃねえか」
『遊びじゃないんですッ!』
若き隊長ポートガス・D・エースは仕事…主に書類系の仕事を全くしない。
それを追いかけるのが隊長補佐の役に付いている名前だ。
『マルコ隊長がいないのをいいことに、あの人はッ!』
いつもならしぶしぶだが、一番隊の隊長であるマルコが手伝ってくれるのだが今日は不在。いつもより長く追いかけっこが催されている。
『ぜーはー…どこ行った……』
場所は甲板。
ちらほらと人はいるがもう時間は夕暮れ。
食堂へと向かった人が多いのだろう。
『ここら辺にいるとは思うんだけど…』
甲板を見渡すが姿が見えない。
が、
「ぐー……ぐー……」
『このいびきは……』
耳をすませばマストの方から聞こえてくる大きないびき。
音を立てないようにこっそりとマストへと登り顔をのぞかせる。
そこには大の字になり気持ちよさそうに眠るエースの姿があった。
『……見事に寝てるや』
「むにゃ…名前ー……」
『なっ……!』
そんなある夕暮れ
(むにゃ……ん?……名前?どうした?顔真っ赤だぞ?)
(ゆ、夕日のせいですッ!)
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