暁はほとんどのメンバーが男だ。
女は2人だけ。
小南とかいうやつと、名前だ。
名前は暁に居なかった医療忍術を使う忍で、飛段の次に新入りだ。
なかなか可愛くて、気が利く。
オイラが何を言いたいかというと……
オイラは、名前が好きなんだ。
『あ! 鬼鮫さん! 怪我してるじゃないですか!!』
「あぁ…、この程度なんでもありません。大丈夫ですよ、名前さん」
『いえ! 少しの怪我だって甘く見てはいけないんです。すぐに終わりますから』
「わざわざ、すみませんねぇ」
『これが私の仕事ですから』
……ムカつく。
他のやつと話すだけでもやもやする。
「名前!!」
『あ、デイダラさん。どうかなさったんですか?』
「ちょっとこい!」
オイラは名前の腕をつかんで歩き出した。
『え? あ、鬼鮫さんの怪我……』
「私はもう大丈夫です」
『あ、はい……』
オイラはアジト内にある自室に名前を引き込んだ。
『デイダラさん?どうしたんですか?』
少し不安げな名前の瞳が顔を覗く。
オイラは名前を抱きしめた。
『えっ! デイダラさん……っ?』
「オイラ、オイラ、名前が好きなんだ……うん。だから、他のやつと話してたりするのとかみると……なんかムカついて……」
『デイダラさん……』
「っ! オイラ、つい……ごめんよ!」
『その、私も、デイダラさんが好きです……だから、謝らないでください』
「っ!」
オイラは自分の顔が熱くなっていくのがわかった。
『嫉妬、してくれてたんですよね?』
「う、うるさい……」
オイラは強く、でもできるだけ優しく、
名前を抱きしめた。
この胸の中に
できれば、ずっと、
こうしていたい。
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