「なんとかは風邪ひかないと思ってたんだけど?」
『うるさっ…ゲホっ!』
「はいはい」
いわゆる季節の変わり目である3月の今日このごろ。私は風邪をひきました。
親がどっちも出張という不運も重なり、にっちもさっちもいかない状態でかかってきた1本の電話。
「僕が電話してこなかったら今頃どうなってたか」
『むー……』
憎まれ口を叩くもののテキパキと私の看病をこなす総司。
脇に置いてある袋にはいろいろ入っているようだ。
「食欲は?」
『ない』
「うーんじゃあ、とりあえず寝て」
『眠くない』
「寝て」
『うぅ』
「起きたら何かは食べてね。おかゆとか、何か用意しておくから」
『居てくれるの……?』
「当たり前でしょ?放っておいたら悪化するだけじゃない君の場合」
『……ありがと』
「はいはい。さ、おやすみ」
『!』
額のキスで安らかに
額の真ん中がすごく熱い。
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