春島近い海域にいるキッド海賊団。
海風が春の陽気と同じく温かい今日。
この船の中でも大きめの部屋であるキラーの部屋に、私とキラーはいた。
ほんの少し開けられた窓から暖かい風がそよそよと吹いてくる。
日差しも強くなく弱くなく、ちょうど良く、部屋に差し込んでいた。
そんな部屋のベッドに腰掛け本を読んでいるキラー。
私はベッドに寝転がり、くるくるとキラーの髪の毛を弄んでいた。
はじめの頃は気にしているのか、ページを捲るスピードが若干遅かったけど、もうどうでもよくなったのか本を読むのに集中しているようだった。
キラーの髪は綺麗なブロンズで、陽の光にあたるとキラキラ光る。
でも猫っけでふわふわしていて柔らかい。
いたるところでクルクルしているので遊んでいる私も全く飽きない。
なんだこれ楽しい。
触るとほんのり香るキラーのシャンプーの香り。
私の大好きな香り。
『ふわぁ〜っ』
流石にこんな日は眠くなる。
瞼が重い。
「……眠いのか?」
『んー……』
本に栞を挟んだキラーがこっちを振り向いた。
「ほら」
『ん、』
キラーが差し出したのは膝。
私はキラーの膝に頭をのせ、夢の中へと入っていった。
ふわふわ
キラーが頭を撫でている気がした。
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