「やはり、来ていましたか」
『えへへ!おはようございます、山南先生!』
「おはようございます、名前くん」
朝早くに学校へと足を向け、先生よりも早くに保健室に来る。鍵はアレ、ピッキングでこう、カチャカチャっと。そうして朝一番に山南先生の「おはようございます」を聞くのが最近の日課。
山南先生は私を拒むことなく、笑顔で接してくれる。
持っていた荷物を置くと、ティーカップを二つ。山南先生のいれてくれる紅茶はとても美味しい。
「はい、どうぞ」
『ありがとうございます』
そうして毎朝、授業まで紅茶を飲みながら雑談をする。世間話が中心だけど、すごく楽しい。きっと山南さんは人の話を聞くのが得意なんだと思う。
キンコンと鳴る予鈴がこの楽しい時間のおわりを告げる。
『うー…また来ます!』
「えぇ。待っていますよ。貴方と話すのは楽しいですから」
そういって笑ってくれる山南先生。
『じゃあまた!!』
「あぁ、名前くん」
『はい?』
窓の鍵は開けておくよ
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