学校に行き、授業を受け、放課後はアメフト。同じような日常をただただ繰り返す毎日。別に刺激が欲しいわけじゃねぇし、変化を求めているわけでもねぇ。ただたまに、普通ってのがなんなのか知りたくなるときがある。俺らしくもねぇ。



今日もいつもと同じように学校に行き授業を受け放課後はアメフト。疲れきった体を引きずり家に帰ると、家の鍵があいていた。朝は確実に締めた。

音を立てないように扉を開くと、食欲をそそる香りが鼻孔をくすぐった。鍵があいていた理由が分かった俺は頬の筋肉が緩むのを抑えられないでいた。どうにかポーカーフェイスを保ってリビングへ向かう。ダイニングキッチンの形であるそこにはもちろんアイツの姿。



『あ、クリフォード!おかえりなさい!』

「お前、無用心すぎだ。鍵ちゃんとかけろ」

『鍵かかってる家に誰いかいるのって嫌じゃない?』

「じゃあ連絡入れろ」

『驚かせたかったんだもの』

「あーはいはい、驚いた」

『もう!』



エプロン姿でおたまを持ってむくれる名前の姿に思わず笑いが溢れる。そんな俺を見て名前も笑った。



『お疲れ様、クリフォード。今日はビーフシチューだよ!』

「家に入ってすぐわかった」

『そう?あ、シャワー浴びるといいよ!上がったきた頃には出来てるはずだから』

「いい」

『え、でも……』

「手伝う」

『いいよ!疲れてるでしょ?』

「俺が手伝うって言ってんだ。食器出せばいいだろ?」

『あ、ありがと…』

「シャワーは二人でだからいいんだよ」

『な!バカっっ』



顔を真っ赤にする名前が愛おしいくてたまらなかった。





幸福日常




これを幸せというのか。


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