G版英雄!0ラストエピソードネタ




「あっという間ですね」

『はい』

「長く生きてきましたが、こんなにあっという間に時が過ぎたのも初めての経験です」

『……』

「ワイン、飲みますか？」

『はい』

「……そんなに泣いてしまったらワインがしょっぱくなってしまいますよ？」

『…はい』

「……ホラ、これでいい」

『アルケ…』

「手袋が濡れましたが…まぁ、これで貴女の涙が止まるのなら」

『ッ…』

「あーあ…これではいくら手袋があっても足りませんねぇ…」

『泣きま…せん』

「…そうですか…」

『………』

「いつも…葡萄のお世話、手伝ってくれてありがとうございます」

『私も、葡萄、好きですし…』

「ワインも…いつもとても良いものを献上してくれて…」

『当たり前ですよ…ワインを献上してあんなに喜ぶの…アルケイン様だけなんですから』

「勝利の美酒に酔いしれたこともありましたね」

『……』

「敗北の苦汁と共に飲み明かしたこともありましたね」

『……』

「数えきれないほどの杯を交わしましたが…今ではどれも大切な思い出の味となりました」

『……』

「その中に…至高の一杯があったなら…僕も嬉しいです」

『………ッ』

「また泣いてしまいましたね…」

『…寂しいんです…。アルケイン様に会えなく…なるのが…ッ！』

「名前…」

『泣きたくないけど……勝手に……ッ！』

「……」

『！！』

「…僕にはこうして君を抱きしめることしかできない」

『ッ……！！』

「大丈夫。僕は不死者だ。もう数百年はこのオルガで葡萄を育てているよ」

『………』

「いつか、きっと、再び会える時が来る…僕はそう思っています」

『会えますか…？』

「えぇ、きっと」

『よかった………』

「僕は君のこの温もりを忘れない」

『私は、アルケイン様の香りを忘れません』

「また、いつか。どこかで」





さよならは、いわない





これが一生の別れじゃないって、


私も貴方も、


信じていたから。

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