G版英雄!0ラストエピソードネタ
『ヌーゴ様』
「む?名前か、どうした」
『ご挨拶をと、思いまして』
「そうか。律儀だな。見直したぞ。小石ほどだがな」
『ヌーゴ様は、最後までヌーゴ様ですね』
「?どういうことだ」
『最後まで嘘をついてくれるなと』
「なんでそれは。拙者をなんだと思っているのだ」
『ウソデレ魔界忍者?』
「………拙者泣きそう。これ本当」
『軽い冗談ですよ』
「お主も言うようになったな…」
『そうですか?』
「…名前、今までよく働いてくれたな。感謝するぞ」
『いつもと違って堅苦しいですね』
「知らないのか?親しき仲にも礼儀ありだ。」
『はぁ……』
「物事は礼に始まり礼に終わる。足を揃え、深々とお辞儀を……あ」
『あ』
「深々としすぎて、角が地面に…」
『何やってるんですかもう…よいしょ』
「ふう…抜けた」
『土まみれじゃないですか』
「最後に聞いていいか?」
『何をですか?』
「お主は何故、拙者の軍に入らなかったのだ?弓士を目指しているなら拙者の軍が一番だっただろう」
『弓士を極めたかったのは確かですが…それでどういう活躍をしたいか…ですかね』
「活躍……」
『はい。私は弓で人を倒すだけでなく、前線を行く剣士のためのサポートをしたかった。それが一番できるのはアルケイン様の軍でしたから』
「そうか……お主の腕なら拙者の右腕にもなれただろうに…あ、左腕でもいいかも」
『その言葉だけで、私は弓士としての誇りを持てたまま戦場を去ることができます』
「……名前」
『なんでしょう』
「…達者でな」
『はい。ヌーゴ様も』
その言葉、裏返し
そんなことはわかってた。
最後に素直な言葉が聞けて、
視界が潤んだのは内緒にしておこう。
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