レンリツ方程式 | ナノ




現在時刻午前4時30分。昨日と同じような要領で朝食を作っていく。洋食と和食、どちらも食べることができるように配慮。まあ考えるのがめんどくさいと言われればそれまでだけど。


『おはよ、弦一郎』
「今日も早いな」


言わずもがな現れたのは自主トレを終えた弦一郎だった。


『こっちのセリフ。にしてもすごい汗だね……』


昨日の倍くらい汗をかいている弦一郎。そう思えば今日は真夏日になると天気予報が言っていたような気がする。


「あぁ、今日は暑くなるぞ」
『ドリンク、少し濃い目につくろうか……』


これからどんどんと上がっていくであろう気温のことを考えてドリンクの調整をしなければならない。

やるからには徹底的にがモットーではあるけれど、ここまで全て私一人でやっているとか思うとやるせない。


「俺がこういうのもなんだが、マネージャーの仕事というのも楽ではないな」
『むしろ選手よりめんどくさいよ。選手はひとつのことに集中してればいいんだから。マネージャーはいろんなとこに気を使わきゃいけなくてさ、神経すり減らしてるからさ』
「なるほどな」


あと実質2日でこれが終わると思えばまあ大したことはないけれど。

私はポケットからケータイを取り出してネットを開いた。見るページは天気予報のページ。今日の天気と湿度、そして気温のチェックだ。


『げ、最高気温27度?』
「ああ、昨日の天気予想でそんなことを言っていたな」
『お昼はあったかいうどんじゃなくて冷たいうどんにしよ』


むしろ素麺のほうがいいのか?でも個人的にうどんが好きなのでうどんで。


『熱中症とかに気をつけるように各チームリーダーに伝えておいてね、弦一郎』
「ああ」


そう言えば真剣な顔で弦一郎が頷いた。いや、いつもこんな顔か。


『じゃ、私ドリンク作ってくるから』
「俺も手伝おう」
『いいよ、別に。弦一郎は体休めてて』
「しかし、」
『しつこい男は嫌われるよ?』
「う」


言葉を詰まらせた弦一郎を尻目に私は食堂をあとにした。

気温が高くなるということもある。いつもよりドリンクの消費量も多いだろう。予備用のボトルも引っ張り出していつもより倍のドリンクを作った。

ドリンクを作り終えた頃には5時30分を過ぎていて私は急いで食堂へと戻る。


食堂に戻れば机に付して眠っている弦一郎の姿が目に入った。


『あーあ、もう』


私は着ていたジャージの上着を脱ぎ、弦一郎の肩にかけた。


『こうしてれば年相応だよね、弦一郎も』


静まり返った食堂に響いたのは私の笑い声だけだった。



本日の予報は、



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