レンリツ方程式 | ナノ





昼食を終え、時刻は13時30分。各コートに各チームが勢ぞろいしていた。ちなみにここは第3コート。各コートにはコートが2面おいてあり各チームに与えられている。この第3コートがCチームのコートとなっているわけだ。


「改めて、このチームのリーダーの白石や!ほとんど知り合いやから他に自己紹介はいらんと思うけど、せやなぁ面白くやっていこうや!」


白石さんがそう言えばパチパチと拍手が鳴る。


「それで今日のメニューなんやけどまぁ長いこちバスに揺られとったし、慣れないコートや。せやから自主練習にしよと思うんやけどどうやろか?」
「すべてを丸投げするのか?」


白石さんの言葉に反応を示したのは弦一郎。彼も立海の副部長を務める身、適当というのは嫌なのだろう。


「んーなんて言うたらええか……。適当言うてもちゃんとラケット持ってコートに馴染む練習もして欲しいんや。で、せっかくこうして違うチームのメンバーとの合同チームになったわけやからそれを存分に活かして欲しい。普段出来へんこともほかの学校のやつとやったら出来るかもしれへんやろ?」
「うむ、一理あるな」
「その自主練風景を見ながら明日明後日のメニューを作っていこうと思っとる。なんか意見はあるか?」


その言葉に誰もが肯定の意を示した。さすがは部長。人をまとめることに長けているようだ。


「じゃあ各自アップして練習してな。遠慮せんと俺にも声かけてな」


そう言えば各自各々のアップを開始。私はその間に事前に準備をしおいたタオルを持ってくることにした。

此処にはマネージャールームと呼ばれる場所がある。ドリンクを作る道具やコート整備に必要な道具、タオルを洗うための洗濯機などが置かれている。

昼食を食べ終えたあと私はここを訪れて、昨晩洗濯をしておいたタオルを畳み清潔なかごに入れておいたのだ。まあ今日は初日ということもありきちんと4チーム分。

といっても、ドリンクは別だが。

昼食を食べ終えたあとしたことはタオルを畳んだことだけではない。もちろんドリンクも今のうちに作っておいた。今回は流石にひとりひとりに合わせてドリンクは作れない。だから今日の気温と湿度を考えて水と粉の量を調整し作成。ボトルに詰めてマネージャールームにあった冷蔵庫に入れておいた。

萩ちゃんには事前に作っておいてくれないかと頼まれていたので作成。妖兄は自分ですると言っていたので放置。もちろん、宝華梨々のことなど知らない。


『よし』


私は8人分のタオルが入ったカゴともう一つ何も入っていないカゴを持ってコートへと向かった。

コートへと戻れば丁度アップが終了し始めた頃合いなようだった。


『タオルここに置いておきます。使い終わったらこっちのカゴに入れてください』
「おぉ、おおきにな!」


白石さんのお礼を受け、他の人たちもお礼を言ってくる。


『ドリンクはいつくらいに持ってきましょうか』
「せやなぁ……次は多分ラリーとかサーブの練習をすると思うから15分後くらいに」
『わかりました』
「働きもんやなぁ。感心感心」


そう言って私の頭を撫でると白石さんは踵を返した。そして大きな声で「切原くーん!ラリーせぇへん?」と積極的に声をかけていた。部長の鏡だ。

私は15分後には戻ってこられるようにとドリンクを取りにマネージャールームへと戻った。そこには兄の姿。


『どう?そっちのチームは』
「手塚って奴の手腕は中々だ。さすがはプロからスカウトのあった男だ」
『へぇ』


妖兄がこうして素直に褒めるなんて中々ないことだ。それほど手塚さんは素晴らしい人なのだろう。そんなことを考えている間にも妖兄はテキパキとドリンクを作っていく。


『どう?姉崎さんの気持ちがわかるようでしょ?』
「るせぇ」


悪態づきながらドリンクボトルをシャカシャカ振る妖兄の姿は結構シュールだった。




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