レンリツ方程式 | ナノ






「ふふふっ。やぁっと合同合宿なのね。もうっ待ちくたびれたわよ」


梨々はこのテニプリの世界にトリップしてきたの。前の世界は本当にくだらない世界だった。可愛い梨々がかっこいい男と付き合っても女に邪魔される。なにが「人の彼氏に手を出すなんて」よ。全く、取られる方が悪いに決まってるのに八つ当たりもいいところだわ。

つまらなくてしょうがないからって読み始めたのがテニプリだった。

運命だと思った。

そこにはかっこいいキャラがたくさんいるんだもの。こんな世界こそが梨々の生きる世界なんだって思ったわ。

だから片っ端から夢小説サイトを回ってどうやったらトリップできるかを考えたの。そしたらやっぱり生贄が手っ取り早くて簡単で確実みたいだった。


だから、あのムカツク女たちを殺したの。


そしたらいきなり真っ白な空間になって。いかにもって感じの人が目の前にいたの。


「ねぇ!あなた神様なんでしょっ!?」
「あ?まぁな」
「てことは梨々をトリップさせてくるのよねっ!?」
「ふぅん、どこに行きたい?」
「モチロン!テニプリの世界に決まってるじゃない!そのために生贄まで捧げたっていうのに!」
「……そうか。ならトリップさせてやろう」
「ほんと!やったわ!これで梨々はお姫様になれるの!」


そして梨々は思い出したの。どうせなら補正もつけてもらおうって。


「ねえ特典も付けてくれるんでしょ?なら逆ハー補正つけてよね」
「特典ねぇ……3つまでだな」
「なんでよ!」


特典が3つまでだなんて聞いてないわ。

あ、もしかして。


「生贄が3人だったから3つまでなのね……!こんなことならアイツらも殺すべきだったわ……ッ」


今更だししょうがない。梨々は考えたの。


「なら“逆ハー補正”と“誰もが羨むような容姿”あとは……あ!お金!“暮らしていく上でのお金の約束”をして頂戴!」
「わかった」


頷けばいきなり眠くなって、そして起きたら見たことのない部屋だった。でも部屋のクローゼットには見たことのある制服がかけられていたわ。そう、氷帝の制服。

テーブルの上には通帳があって1億が入っていたの!あとはあの神からの手紙。

なんでもここはテニプリの世界でも原作の時間じゃないみたい。みんな成長して高校生という設定になってるみたい。

むしろ好都合だと思った。確かに漫画の彼らは中学生という設定にしては大人びていたけれどやっぱり中学生ってどう?高校生がちょうどいいと思ってたところだったの。さすが神様ね、わかってる。

そうして梨々は氷帝に転校したわ。そしたら侑士とクラスが一緒になって席も隣だったの!すぐに仲良くなったわ!梨々の顔を見て赤くなる侑士がかっこよくて可愛くて最高だった!そんな侑士のおかげでその日のうちにほとんどの氷帝レギュラーとは顔見知りになれたの!そしたら侑士とがっくんがマネージャーにならないかって誘ってくれて!すぐに承諾したわ!

景吾はまだ照れてるのかあんまり構ってくれないけれどそれだってすぐに変わってくるわ!若もツンデレだからしょうがないわね。ジローちゃんは相変わらずって感じだけど、きっと直ぐに梨々の魅力に気がつく!


でも、何故か梨々のほかにマネージャーが入ってきたの。名前を蛭魔未久。いかにも優等生って感じの容姿。長い黒髪にメガネ。制服もきっちり着てて正直キモイ。性格も見たとおりですこーしキツめに命令すれば言うこと聞いてくれる梨々の大切な駒!

一度だけ口答えしてきて“傍観主”かもしれないと思ったけれど、そうでもないみたいね。ほんと、ただのモブみたい。最初は邪魔だとも思ったけど今は重宝してるわ。


そしてついに合同合宿!逆ハーの王道イベントがやっと来たの!これでほかの学校のみんなも梨々の可愛さにやられて取り合いとかになっちゃって!!

これが、梨々の望んだ世界。

ほんと、この世界にトリップしてきてよかったわ!




偽姫の妄言





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書いてて疲れる←




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