レンリツ方程式 | ナノ





その日も何時も通り(もちろん悪い意味での)練習を終えて家へと戻った私に一通のメール。差出人は跡部景吾。どうやら早くも合同合宿が形になりそうだ。


『来週の5日間か』


跡部景吾が提案した日程はこうだ。来週の水曜日から合宿開始。まあ午前中は準備やら荷物整理やらで潰れるだろうから午後から練習。そして日曜日まで。日曜日はあくまでも帰る準備だけにするらしく実質は四日間の日程となる。そしてやつの化けの皮をはがすための日曜日でもある、ということだ。

私はさっそく了承のメールを跡部さんに返信。そしてこの日程のことを妖兄にもメールした。


『きっと施設は太郎ちゃんか跡部さんの別荘だろうから監視カメラ類の心配はしなくて予想ね』


今まであまり触れていなかったがテニス部顧問で監督でもある榊太郎は知り合いだったりする。これでも私は昔ピアノをやっており、とある音楽会で出会ったのがそもそものきっかけだ。

よくよく話を聞いてみれば母の後輩であることが判明。そこから良くしてもらっているといったところだ。あぁ、母のことは深く聞かないで欲しい。


『じゃああとは彼にメールを送るだけ、か。にしても、ケータイとか使うのかなアイツ……』


思い出すのは自由奔放で放浪癖のあった1つ上の彼。


『とりあえず送信っと』


気づく気づかないは別として連絡はしておかないといけないのでメールを送信。


『さーて、ブログ更新と確認しようかな』


こんな私の囁かな楽しみはネットに潜ることだったりする。まあ私は本性を隠していろんなところに潜っているわけだけれど。

最近のブログはもっぱら「厨二病患った女子の観察日記」と題して書いている。まあわかる人はわかるかもしれないが、宝華梨々の観察日記だ。


『更新―』


有名ブログではないものの毎日20人ほどは足を運んでくれているようでコメントを残していってくれる人もいる。


『あ、善哉さんまたコメントくれた。嬉しいねぇ』


その中にも所謂常連さんが存在して。今コメントをくれた善哉さんも常連さんだ。そして善哉さんのブログの常連が私といったところ。


「善哉さんのブログも更新されてるや。お、今日は学校帰りにたこ焼き早食い大会をしたんだ!面白いなぁ……さすが関西」


どうやら善哉さんは関西、多分大阪の学生さんのようで部活メンバーとのことを多くブログに書いている。他にも作曲活動なんかもしてるらしく時たまブログの方にもアップしている。


『おっと、スカイプきた。善哉さんじゃん』


すぐさまマイクを用意して通話。


『すみません、お待たせして』
「言うほど待ってませんわ。コメありがとうございます」
『こちらこそー。たこ焼き食べたくなりましたよ』
「そっすか?まぁ大阪のたこ焼きは普通にうまいっすわ」


多少気怠そうに話す善哉さん。年齢は聞いたことないが部活をやっている学生という点から見て同年代と予想している。


「にしても最近のブログ、あれマジすか?」
『マジっす。ほんと嫌になりますよー』
「未久さん優等生キャラ演じてるんスよね?だから余計っしょ」
『そうそう』


ちなみに私はネット上でも本名を使っている。アレだ、本名なんて使うわけねえだろーというネット住民の考えを逆手にとったというやつだ。


「というか、前から思ってたんスけど、未久さんえぇ声っすよね」
『ちょ、何口説いてんの。わろす』
「いや、ほんまに。ちょっと俺の作った曲歌って欲しいっスわ」
『歌はどうだろう……嫌いじゃないけどねえ』
「いつか、」
『ん?』
「いつか会ってみたいッスわ。未久さんに」
『そだね。私も善哉さんに会ってみたい』
「約束ッスよ」
『うん。あ、でも過度な期待はしないでね!』



驚愕、ネット社会





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ネタを詰め込みすぎました。
お分かりの方もいるかと思いますが善哉は彼です。そして四天宝寺の知り合いはあのトトロです。なぜ知り合いか、詳しくは後々。




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